KYOTO EXPERIMENT 2016 SPRING|京都国際舞台芸術祭

2016年3月5日-3月27日

ショーケース「Forecast」

国枝かつらプログラム

近年、多くの近現代美術館でパフォーマンスの展覧会やイベントが開催され、コレクションとしても収蔵していく取り組みが模索されています。そのような状況を背景に、パフォーマンスが行われる場所性とそこで生じる役割に意識的であり、時に了解される規範へのカウンターとして、より広い視野からパフォーマンスを思考し実践する3名のアーティストを紹介します。作品は、これまでに上演された形式に今回あらたに手を加えて再演するもので、そのどれもが人のからだと声というシンプルな要素で構成されています。

小杉武久《Anima 2》(1962)の再考を通じてパフォーマンスにおける肉体と声を考察する小金沢健人の《CLOSED ANIMA》(2001)、指示書にもとづく即興という行為から、身体に原初的に備わったある種の機能を導き出そうする田村友一郎の《D.H.L》(2013)、動きと声が幾重にも呼応しながら、指揮者のような中心点を持たない合唱の形態を出現させることでオルタナティブな方法論を提示する梅田哲也の《Composite》(2014)。いずれの作品でも、最低限のインストラクションをもとに即興で進行していく次第は、パフォーマンスが身体の芸術であると同時に、時間を扱う芸術でもあることをあらためて想起させます。またそれは、美術、演劇、ダンス、音楽といったジャンルに拠るものでも、美術館や劇場といった場所に帰属するものでもなく、「ライヴ/生であること」という一度きりの行為への思考と実践でもあるのです。

国枝かつら

国枝かつら | Kstsura Kunieda

くにえだかつら

1978 年東京都生まれ。丸亀市猪熊弦一郎現代美術館学芸員。担当企画展に現在準備中の「金氏徹平展(仮称)」(2016開催予定)、「マルティーノ・ガンパー 100 日で100 脚の椅子」(2015)

「あそびのつくりかた」(2014)など。パフォーマンスを紹介するシリーズ<PLAY>を担当、「PLAY vol.01-03 塚原悠也(from contact Gonzo)」(2014-2016)を企画。

作品紹介

小金沢健人『CLOSED ANIMA』(2001年)

小金沢
photo: 斎木克裕

「過去のパフォーマンスを現在の視点からもう一度取り上げる」というコンセプトのイベントで2001年に上演された作品の再演。1962年の小杉武久『ANIMA 2』をあつかってパフォーマンスにおける声と肉体を考察する。

koganezawa

小金沢健人 | Takehito Koganezawa

1974年東京都生まれ、ベルリン(ドイツ)在住。武蔵野美術大学映像学科卒業後ドイツに渡り、以来ベルリンを拠点に活動を続ける。映像、ドローイング、インスタレーションなど多様な表現メディアを用いた作品群を国内外で発表している。国内では、主な個展に「あれとこれのあいだ」(2008年、神奈川県民ホールギャラリー)、「Dancing in your head」(2004年、資生堂ギャラリー)。主なグループ展に「横浜トリエンナーレ2008」(新港ピア)、「六本木クロッシング2010展:芸術は可能か?」(森美術館)、「ザ・コンテンポラリー1われらの時代:ポスト工業化社会の美術」(金沢21世紀美術館)など。

梅田哲也『COMPOSITE』(2014年)

梅田
Photo: Yukie Mitomi

フィリピン山岳地帯にあるカヤン村の子どもたちと制作した作品を再構築する。動きと声の掛け合わせで進行する合唱のかたちは、指揮者のような中心点を持たないパフォーマンスの方法論を提示する。

umeda

梅田哲也 | Tetsuya Umeda

国内外の美術館およびオルタナティブな空間におけるインスタレーションを発表するほか、音楽やパフォーミング・アーツの現場で活動。2008 年の個展「門」や 2011年からの Breaker Project との共同作業などで、建築構造から観客の行動まで、とりまく状況全体を素材とした体験型のプロジェクトを展開。 http://www.siranami.com/

田村友一郎『D.H.L』(2013年)

田村

「D.H.L」は田村の指示書の内容を示すアナグラムであり、パフォーマーは舞台の上で初めてその内容を知る。即興という行為から、身体に原初的に備わったある種の機能を導き出そうとするとともに、ダンスと声の在り方をも浮き彫りにする。

tamura

田村友一郎 | Yuichiro Tamura

1977年富山県生まれ。映像作家。日本大学芸術学部写真学科卒。東京藝術大学大学院映像研究科修了。2013年、文化庁新進芸術家海外派遣制度によりベルリン芸術大学・空間実験研究所に在籍。現在、東京藝術大学大学院映像研究科後期博士課程に在籍。2010年にGoogle Street Viewのイメージのみで構成されたロードムービー『NIGHTLESS』で第14回文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞受賞、同作を第3回恵比寿映像祭、第57回オーバーハウゼン国際短編映画祭(ドイツ)など世界各国で上映。近年のおもな展示に、MOTアニュアル2012「風が吹けば桶屋が儲かる」(東京都現代美術館)、瀬戸内国際芸術祭2013、メディアシティ・ソウル2014(韓国)など。映像、インスタレーション、パフォーマンスなど表現形態は多岐に渡る。http://www.damianoyurkiewich.com/

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