KYOTO EXPERIMENT 2016 SPRING|京都国際舞台芸術祭

2016年3月5日-3月27日

ショーケース「Forecast」

あごうさとしプログラム

Theatre in motion
地震を経て政治の季節に入り、時代の動きが速度を帯びている。人が饒舌になるこのような時節のなかで、芸術が自由な表現を体現し続ける為には、アーティストは何を描くのかという事と同時に、いかに描くのかという形式が一層重要であり、形式が存在に直結するように思う。作品制作上の複雑な手続きや、抽象性、それらを念頭に改めて着目したいのは、あらゆる表現の根底にある、身体のありようだ。

展開される「身体」は劇場でどのように存在しうるのか。3つのカテゴリーが考えられる。1.身体それ一つで立つ 2.身体と物・映像など他のメディアとの併存 3.身体不在。辻本佳さんによる、柔道を基礎とした完成された肉体と動き、岩渕貞太さんによる、身体構造にオルタナティブな解釈をのせて発動する動き、あごうによる出演者不在の空間における動き。


劇場で思考される3組の異なる視点は、さらに、八木良太さん、山城大督さんという現代美術作家の視点が加わり、身体のグラデーションが明確に表現されるだろう。これは偶然だが、参加アーティストの年齢が30~39才という30代のグラデーションでもある。

安易な言葉や、ワンクリックで自己を規定してしまいそうな時代において、抽象性を孕んだ身体表現を介して私たちのありようを見つめる機会になればと思っている。

あごうさとし

あごうさとし | Satoshi Ago

あごうさとし

劇作家・演出家・俳優・アトリエ劇研ディレクター。1976年生まれ。「複製技術の演劇」を主題にデジタルデバイスや特殊メイクを使用した演劇作品を制作する。2014−2015文化庁新進芸術家海外研修制度研修員として3ヶ月パリに滞在。

代表作に「total eclipse」(2011、横浜美術館・国立国際美術館)、「複製技術の演劇— パサージュⅢ—」(2013-2014、こまばアゴラ劇場・enoco・アトリエ劇研)等がある。2010年度京都市芸術文化特別制度奨励者。2013-2014公益財団セゾン文化財団ジュニア・フェロー。神戸芸術工科大学非常勤講師。

作品紹介

あごうさとし『—純粋言語を巡る物語—バベルの塔 Ⅱ』

あごうさとし

舞台に俳優が出てこなくても、演劇は成立するのか?
そもそも、俳優とはなにか?ベンヤミンの思考を下敷きに、コンセプト・演出のあごうさとしと映像の山城大督が、俳優の演技を解体/再構成した「無人」の上演の可能性を探る。

yamashiro daisuke

山城大督 | Daisuke Yamashiro

1983年生まれ。IAMAS修了。東京藝術大学大学院映像研究科博士後期過程退学。映像の時間概念を空間やプロジェクトへ応用し、その場でしか体験できない《時間》を作品として展開する。「Nadegata Instant Party(中崎透+山城大督+野田智子)」メンバー。タイムベースド・メディアインスタレーション作品『VIDEREDECK』が第18回文化庁メディア芸術祭アート部門審査委員会推薦作品に選出。

岩渕貞太×八木良太『RECORDS』

岩渕貞太×八木良太
Gosuke Sugiyama/Gottingham

「記録物」があつかう時間と、人間の「身体」が持つ時間、そのコミュニケーションの可能性について。ダンサー・振付家の岩渕貞太と、多岐にわたる表現手法で作品を発表している美術家・八木良太による 2 度目の共同作業。

岩渕貞太 | Teita Iwabuchi

岩渕貞太 | Teita Iwabuchi

ダンサー・振付家

1980年神奈川県生まれ。2005年より、「身体の構造」や「空間や音楽と身体の相互作用」に着目した振付作品を発表する。2010年から大谷能生や蓮沼執太など音楽家と共に身体と音楽の関係性をめぐる実験作を継続的に発表。その他にもア二メーション作家・現代美術家など、他ジャンルの作家とのコラボレーションにも精力的に取り組んでいる。関かおりとの共同振付作品『Hetero』で、横浜ダンスコレクションEX2012「若手振付家のための在日フランス大使館賞」を受賞。急な坂スタジオレジデントアーティスト。アトリエ劇研アソシエイトアーティスト。
http://teita-iwabuchi.com/

八木良太 | Lyota Yagi

八木良太 | Lyota Yagi

美術作家

1980年愛媛県生まれ。京都市在住。見たいものしか見ない・聞きたいことしか聞かないといった、我々の制限的な知覚システムあるいは態度に対する批判的思考をベースに作品制作を行う。既製品を用いて作品を構成し、その現れによって人間の知覚やそれを利用した工学的システムを浮かび上がらせるような作品を発表している。音響作品をはじめとして、オブジェや映像、インスタレーションからインタラクティブな作品など、表現手法は多岐にわたる。
http://www.lyt.jp/

辻本佳『Field Pray#2 擬態と遡行』

辻本佳
金サジ

ダンサー・振付家の辻本佳が、幼いころから続けていた柔道の身体性を基礎に、自身の育った環境を自伝的要素として作品に組み込みながら、既存のダンスや武道の身体操法をサンプリングし、展開させる。

辻本佳 | Kei Tsujimoto

辻本佳 | Kei Tsujimoto

振付家、ダンサー

1985年生 三重大学生物資源学部卒業。2009年渡仏し、C CNC/BN、Company FATTOUMI LAMOULEUX「Just to dance」に出演。2013年より、柔道を基点とした武道における身体操法について研究を始める。2015年 「方法論としての自伝」「PlayとPray」「身体性のサンプリング:武道ダンス、スポーツ」をテーマに、『Field Pray#1』#1どうすれば美しい運動が生まれるのか。を発表する。柔道3段、ジャイロキネシストレーナー、ポールダンサーとしても活動している。

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