公式プログラム

チェルフィッチュ

地面と床

チェルフィッチュ『地面と床』 京都府立府民ホール“アルティ” 撮影:清水ミサコ

チェルフィッチュの「音楽劇」?!
演劇という装置の有効性をアップデートする大いなる野心

超リアル日本語とも評されるセリフと、日常的所作を誇張しているような/いないようなノイジーな身体性で、瞬く間に日本の現代演劇を牽引する存在となったチェルフィッチュ。KYOTO EXPERIMENT 2010では代表作の一つ『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』で京都の観客を大いに沸かせた。

カンパニーを率いる演劇作家・小説家の岡田利規は、震災後に熊本へと拠点を移し、その後の個人的なリアクションも含んだ作品『ZERO COST HOUSE』を発表するなど、その著作、発言にいたるまで、注目を集める存在。今年1月に出版された初の演劇論『遡行 変形していくための演劇論』が、演劇界の外部でも広く話題になったことは記憶に新しい。

そんなチェルフィッチュの最新作『地面と床』は、我々が彼らの作品に抱いていた印象を大きく変更させるものとなる。何と彼らは、初のそして独自の「音楽劇」に挑むのだ。盟友とも言えるバンド「サンガツ」が、俳優とバンドの「生演奏」でセッションをするように楽曲を制作し、実際の舞台上でも俳優の身体と音楽が同じレイヤーに置かれることになる。これはある意味、チェルフィッチュ流の〈能楽〉と言えるのかもしれない。『地面と床』の舞台は、日本語がほとんど誰にも伝わらなくなった近未来の日本。言葉と故郷を失いつつある社会に生き、記憶と忘却の狭間で揺れ動く〈生者〉たちと、彼らを憂う〈死者〉の利害が対立する。2011年に日本で起きた震災とそれが引き起こした日本社会への影響は、否応なくここに響き合う。

作品は、5月のクンステンフェスティバルデザール(ブリュッセル)で世界初演。その後の欧州ツアーを経て、京都での3ステージが日本初演となる。演劇の新しい形式を探求することから、いかに演劇という装置を有効にアップデートするかの試みへ。チェルフィッチュは次の次元へ向かっている。

チェルフィッチュ『地面と床』 京都府立府民ホール“アルティ” 撮影:清水ミサコ チェルフィッチュ『地面と床』 京都府立府民ホール“アルティ” 撮影:清水ミサコ チェルフィッチュ『地面と床』 京都府立府民ホール“アルティ” 撮影:清水ミサコ チェルフィッチュ『地面と床』 京都府立府民ホール“アルティ” 撮影:清水ミサコ チェルフィッチュ『地面と床』 京都府立府民ホール“アルティ” 撮影:清水ミサコ チェルフィッチュ『地面と床』 京都府立府民ホール“アルティ” 撮影:清水ミサコ チェルフィッチュ『地面と床』 京都府立府民ホール“アルティ” 撮影:清水ミサコ チェルフィッチュ『地面と床』 京都府立府民ホール“アルティ” 撮影:清水ミサコ チェルフィッチュ『地面と床』公開リハーサル 京都芸術センター 講堂 撮影:松見拓也 チェルフィッチュ『地面と床』公開リハーサル 京都芸術センター 講堂 撮影:松見拓也
YEAR
2013
DATES
9.28(土)-9.29(日)
VENUE
京都府立府民ホール
“アルティ”
DURATION
90
LANGUAGE
日本語(英語、中国語字幕あり)
CITY
横浜、日本
CATEGORY

チェルフィッチュ
chelfitsch

岡田利規が全作品の脚本と演出を務める演劇カンパニーとして1997年に設立。チェルフィッチュ(chelfitsch)とは、自分本位という意味の英単語セルフィッシュ(selfish)が、明晰に発語されぬまま幼児語化した造語。『三月の5日間』(第49回岸田國士戯曲賞受賞作品)などを経て、日常的所作を誇張しているような/していないようなだらだらとしてノイジーな身体性を持つようになる。その後も言葉と身体の関係性を軸に方法論を更新し続け現在に至る。
2007年5月ヨーロッパ・パフォーミングアーツ界の最重要フェスティバルと称されるクンステンフェスティバルデザール2007(ブリュッセル)にて『三月の5日間』が初めての国外進出を果たして以降、アジア、欧州、北米にて海外招聘多数。2011年には『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』が、モントリオール(カナダ)の演劇批評家協会の批評家賞を受賞。

岡田利規
Toshiki Okada

1973年 横浜生まれ。演劇作家/小説家/チェルフィッチュ主宰。活動は従来の演劇の概念を覆すとみなされ国内外で注目される。2005年『三月の5日間』で第49回岸田國士戯曲賞を受賞。同年7月『クーラー』で「TOYOTA CHOREOGRAPHY AWARD 2005―次代を担う振付家の発掘―」最終選考会に出場。
2007年デビュー小説集『わたしたちに許された特別な時間の終わり』を新潮社より発表し、翌年第二回大江健三郎賞受賞。2012年より、岸田國士戯曲賞の審査員を務める。2013年には『遡行 変形していくための演劇論』を河出書房新社より刊行。

サンガツ
Sangatsu

2000年デビュー。チェルフィッチュの代表作『三月の5日間』のタイトルの元となり、2006年スーパーデラックス(東京)での公演時におこなったライブが話題を呼んだ。1stアルバム「サンガツ」、サントラ「波」、3rd「静かな生活」を経て、最新アルバム「5つのコンポジション」をリリース。
2011年、様々な人々との共同作業によって「音を育てる」新プロジェクト「Catch&Throw」を始動。演劇・ダンス・映画等、他ジャンルとのコラボレーションも多数。2012年、チェルフィッチュ『現在地』の音楽を担当。

作・演出岡田利規
出演山縣太一、矢沢誠、佐々木幸子、安藤真理、青柳いづみ
音楽サンガツ
美術二村周作
ドラマトゥルクセバスチャン・ブロイ
衣装池田木綿子(Luna Luz)
解剖学レクチャー楠美奈生
舞台監督鈴木康郎
照明大平智己
音響牛川紀政
映像山田晋平
製作クンステンフェスティバルデザール、チェルフィッチュ
企画制作プリコグ
共同製作KYOTO EXPERIMENT、フェスティバル・ドートンヌ(パリ)、Les Spectacles vivants – Centre Pompidou(パリ)、HAU Hebbel am Ufer(ベルリン)、ラ・バティーフェスティバル・ド・ジュネーヴ、KAAT 神奈川芸術劇場、De Internationale Keuze van de Rotterdamse Schouwburg(ロッテルダム)、ダブリン・シアター・フェスティバル、テアトル・ガロン(トゥールーズ)、オナシス・カルチュラル・センター(アテネ)
レジデンシーサポートKYOTO EXPERIMENT、KAAT 神奈川芸術劇場
協力急な坂スタジオ
共催京都府立府民ホール“アルティ”
主催KYOTO EXPERIMENT