公式プログラム

地点

光のない。

地点『光のない。』 京都芸術劇場 春秋座 撮影:松見拓也

想像力の臨界へ、
声と光と身体が織りなす峻厳な風景は、終末なのか希望なのか

京都・北白川に自身のアトリエ「アンダースロー」をオープンさせ、定期的に作品を発表している劇団「地点」。独自の公演スタイルやチケットシステムに加え、ローカルからダイレクトに海外を射程に収めたその活動は、劇場・演劇の公共性を問いかける彼らなりの態度表明ともいえる。そんな地点にとって、4回目の参加となるKYOTO EXPERIMENT。これまでは野心的な新作発表の場としてきたが、今年は、フェスティバル/ トーキョー12 で上演され、近年の最高傑作と評された『光のない。』を発表する。

『光のない。』は、オーストリアのノーベル賞作家エルフリーデ・イェリネクが東日本大震災と原発事故を受けて執筆した戯曲。地点は既存のテキストを、「地点語」とも評される特異な発話スタイルを駆使し、独自の解釈で上演してきたが、同時代の戯曲をあつかう機会は多くない。現実以上の現実の出来事に応答したこのテキストに対峙し、演劇の声と死者の声を響き合わせながら、「発話する主体」はどこにあるのか、その境界を鋭く問いかける。さらに、音楽家・三輪眞弘による生身の「音声装置」、建築家・木津潤平の空間構成を得て、音・声と身体が拮抗する圧倒的強度をもった空間が立ち上がる。

希望の光が失われた状況と同時に、啓蒙の「光」が文明を進歩させた果ての光景を示す『光のない。』、人々の想像力を超えた風景が広がっている。

地点『光のない。』 京都芸術劇場 春秋座 撮影:松見拓也 地点『光のない。』 京都芸術劇場 春秋座 撮影:松見拓也 地点『光のない。』 京都芸術劇場 春秋座 撮影:松見拓也 地点『光のない。』 京都芸術劇場 春秋座 撮影:松見拓也 地点『光のない。』 京都芸術劇場 春秋座 撮影:松見拓也 地点『光のない。』 京都芸術劇場 春秋座 撮影:松見拓也 地点『光のない。』 京都芸術劇場 春秋座 撮影:松見拓也 地点『光のない。』 京都芸術劇場 春秋座 撮影:松見拓也
YEAR
2014
DATES
10.18(土)-10.19(日)
VENUE
京都芸術劇場 春秋座
DURATION
110
LANGUAGE
日本語
CITY
京都、日本
CATEGORY

地点
Chiten

HP: http://chiten.org/

多様なテクストを用いて、言葉や身体、光・音、時間などさまざまな要素が重層的に関係する演劇独自の表現を生み出すために活動している。劇作家が演出を兼ねることが多い日本の現代演劇において、演出家が演出業に専念するスタイルが独特。
2005年、東京から京都へ移転。2006年に『るつぼ』でカイロ国際実験演劇祭ベスト・セノグラフィー賞を受賞。
2007年より<によるチェーホフ四大戯曲連続上演>に取り組み、第三作『桜の園』では代表の三浦基が文化庁芸術祭新人賞を受賞した。チェーホフ2本立て作品をモスクワ・メイエルホリドセンターで上演、また、2012年にはロンドン・グローブ座からの招聘で初のシェイクスピア作品を成功させるなど、海外公演も行う。2013年、本拠地京都にアトリエ「アンダースロー」をオープン。

三浦基
Motoi MIURA

地点代表、演出家。1973年生まれ。桐朋学園芸術短期大学演劇科・専攻科卒業。 1996年、青年団(平田オリザ主宰)入団、演出部所属。1999年より2年間、文化庁派遣芸術家在外研修員としてパリに滞在する。2001年帰国、地点の活動を本格化。2005年、京都へ拠点を移す。
著書に『おもしろければOK か? 現代演劇考』(五柳書院)。2008 年度京都市芸術文化特別奨励者。2010年度京都府文化賞奨励賞受賞。2011年度京都市芸術新人賞受賞。現在、京都造形芸術大学客員教授。

エルフリーデ・イェリネク
Elfriede JELINEK

詩人、小説家、劇作家。1946年オーストリア生まれ。ウィーン大学で演劇学と美術史を学ぶ。1998年ビューヒナー賞をはじめ、ドイツ語圏の最も重要な戯曲賞「ミュールハイム戯曲賞」を4 度受賞するなど、数々の賞を受賞。主な作品に、『したい気分』(1989)、戯曲『ブルク劇場』(1985)、『トーテンアウベルク』(1991)、『雲。家。』(1988)など。
小説『ピアニスト』(1983)は2001年にミヒャエル・ハネケによって映画化され、同年カンヌ映画祭でグランプリを受賞した。2004年、「豊かな音楽性を持つ多声的な表現で描いた小説や戯曲によって、社会の陳腐さや抑圧が生む不条理を暴いた」功績により、ノーベル文学賞を受賞。『光のない。』は、2011年12月にイェリネクのウェブサイトで発表された。

三輪眞弘
Masahiro MIWA

作曲家。1958年東京生まれ。1974年東京都立国立高校入学以来、友人と共に結成したロックバンドで音楽活動を始める。1978年より国立ベルリン芸術大学でイサン・ユンに、1985年より国立ロベルト・シューマン音楽大学でギュンター・ベッカーに師事する。1980年代後半からコンピューターを用いたアルゴリズミック・コンポジションと呼ばれる手法で数多くの作品を発表。音楽についての独自の方法論「逆シミュレーション音楽」で2007年アルスエレクトロニカ、デジタル・ミュージック部門 グランプリ( ゴールデン・ニカ) を受賞するなど、国際的に高く評価されている。
モノローグ・オペラ『新しい時代』(2000)、サウンドインスタレーション『またりさま人形』(2003)、オーケストラのための『村松ギヤ・エンジンによるボレロ』、著書『三輪眞弘音楽藝術 全思考 一九九八 – 二○一○』(2010、アルテスパブリッシング)や、佐近田展康との「フォルマント兄弟」としての創作・講演活動など、その活動は多岐にわたる。現在、情報科学芸術大学院大学(IAMAS) 教授。

木津潤平
Junpei KIZ

1969年愛知県生まれ。建築家。(株)木津潤平建築設計事務所代表。東京大学で香山壽夫氏に師事。1996年同大学院建築学専攻修了。ク・ナウカ・シアターカンパニー『マハーバーラタ』(第3 回朝日舞台芸術賞)などの空間デザインを手がける。2012 年地点『光のない。』、2014年地点『悪霊』の舞台美術を担当。
建築の分野では、米国建築家協会Japan Design Award 大賞、英国Architectural Review Awards など、海外か らも高い評価を受け、中でも2012年竣工の「パッシブソーラーオフィスSOLA」は次世代に求められる建築として日経ニューオフィス賞中部経済産業局長賞をはじめ受賞多数。2013年、地点のアトリエ「アンダースロー」の設計を手がけた。

エルフリーデ・イェリネク
翻訳林立騎
演出三浦基(地点)
音楽監督三輪眞弘
出演安部聡子、石田 大、小河原康二、窪田史恵、河野早紀、小林洋平(以上、地点)
合唱隊朝日山裕子、今井飛鳥、大井卓也、大畑和樹、小村典子、中西重人、野口亜依子、圜羽山圜、真都山みどり、村田結、好光義也、米津知実
美術木津潤平
衣裳堂本教子
照明デザイン大石真一郎(KAAT 神奈川芸術劇場)
照明オペレーション岩田麻里(KAAT 神奈川芸術劇場)
音響デザイン徳久礼子(KAAT 神奈川芸術劇場)
音響オペレーション稲住祐平(KAAT 神奈川芸術劇場)
舞台監督山口英峰(KAAT 神奈川芸術劇場)
舞台監督助手足立充章
技術監督堀内真人(KAAT 神奈川芸術劇場)
制作小森あや、田嶋結菜(以上、地点)
製作フェスティバル/トーキョー、地点(2012 年初演)
2014年版共同製作KYOTO EXPERIMENT
主催KYOTO EXPERIMENT