公式プログラム

松根充和

踊れ、入国したければ!

松根充和『踊れ、入国したければ!』 2016 京都芸術センター 撮影:守屋友樹

国籍や民族の境界線を問い返すパフォーマンス

ウィーンを拠点に活躍する松根充和は、自分の身体を使って社会や制度を撃つようなパフォーマンス作品を発表している。昨年 7 月、オーストリアで初演された本作は、イスラエルの空港での事件をひとつの契機として制作された。アメリカ国籍のダンサー、アブドュル・ラヒム・ジャクソンが公演のため訪れたテルアビブ空港にて、ムスリム系の名前であることを理由に入国審査で止められ、ダンサーであることを証明しろとその場で踊ることを強要されたというのだ。

松根は、単純な批判の声を上げるのではなく、自身の旅の経験を手がかりにこの奇妙な事件の真相に迫る。
ジャクソンが所属していたニューヨークの名門アルヴィン・エイリー・ダンスカンパニーの黒人公民権運動の歴史に触発されて振りつけられたダンスを踊ってみせたり、パスポートの身分証明書としての真価を疑いながら、松根はこの事件が起こった背景について考察していく。国籍、民族とそのアイデンティティに強引に線を引く社会に対して、長年海外暮らしを続ける松根はその境界に立ちながら、どこまでも個人としての立場から、あの手この手で挑発を続ける。

なお、松根が企画する展覧会「世界の向こう側へ」も同会場内で開催する。国内外の作家が出品して、国境などの境界線における摩擦や矛盾をあぶり出す。

松根充和『踊れ、入国したければ!』 2016 京都芸術センター 撮影:守屋友樹 松根充和『踊れ、入国したければ!』 2016 京都芸術センター 撮影:守屋友樹 松根充和『踊れ、入国したければ!』 2016 京都芸術センター 撮影:守屋友樹 松根充和『踊れ、入国したければ!』 2016 京都芸術センター 撮影:守屋友樹 松根充和『踊れ、入国したければ!』 2016 京都芸術センター 撮影:守屋友樹 松根充和『踊れ、入国したければ!』 2016 京都芸術センター 撮影:守屋友樹
YEAR
2016 AUTUMN
DATES
11.3(木祝)-11.6(日)
VENUE
京都芸術センター 講堂
DURATION
70
LANGUAGE
日本語
CITY
ウィーン、オーストリア
CATEGORY

松根充和
Michikazu Matsune

HP: http://www.michikazumatsune.info/

1973年神戸出身、1997年よりウィーン在住。現代社会を反映するどこか滑稽でシリアスな作品を、パフォーマンス、インスタレーション、写真、ビデオなどのさまざまな形で発表している。コンテンポラリー・ダンサーとして活動した後、身体と物体、場と行動の関係などをテーマに制作している。近年では、覆面マスクで店に入るが、強盗せずに商品を購入し、その成果を展示した『Buydentity Unknown』や、ろう者の人達の手話で繰り広げられる舞台作品『Zeichensturm』などを発表。ロシア人アーティストのマクシム・イリューヒンとの共作『客観的なものの見方』では、お互いが少年時代に無意識に擦り込まれた日本人・ロシア人のアイデンティティーを個人的な観点から再考するパフォーマンスに取り組む。
2010年までは、オーストリアのアーティスト、デービット・スバルとの共作も多数発表。代表的なプロジェクトに、世界二十以上の都市で展開(開店)してきた、客がリストから選んだパフォーマンス小品(商品)を即売するお店『ストア』や、旧ウィーン皇室専用乗馬訓練所(現在、Museumsquartier Vienna)で行った、馬についての歌(ポップソングや子どもの歌など)を、二頭の馬に聴かせるインスタレーション『私は馬です』などがある。2012年より、非常勤講師としてベルリン芸術大学、ザルツブルグ・エクスペリメンタル・アカデミー・オブ・ダンスでパフォーマンスの授業を受け持つ。近年は、パフォーマンスを軸とした展覧会の企画も手掛けている。

パフォーマンス松根充和
プロジェクトチームアンドレア・グンラグスドッティア、ムザモ・ノンドルワナ、ナオキ・マツヤマ
テキスト松根充和、ジュン・ヤン
写真オカザキエルサ
映像編集マクシミリアン・プラマタロフ
使用楽曲ゴスペル、ブライアン・イーノ、ヘドリー
振付参考作品アルヴィン・エイリー『リヴェレーションズ』、ヒップホップ初級コース
企画・製作松根充和
共同製作Szene Salzburg、Brut Wien、KYOTO EXPERIMENT
助成ウィーン市文化部、オーストリア文化フォーラム・東京、オーストリア連邦首相府

京都公演

舞台監督濱田真輝
音響椎名晃嗣(KWAT)
照明葭田野浩介(RYU)
テクニカルコーディネート夏目雅也
主催KYOTO EXPERIMENT

ARCHIVE

  • 展示『世界の向こう側へ』 2016 京都芸術センター 撮影:守屋友樹

    松根充和企画

    世界の向こう側へ