公式プログラム

チョイ・カファイ

ソフトマシーン:スルジット&リアント

(左)『ソフトマシーン:リアント』、(右)『ソフトマシーン:スルジット』ビデオスチル ©Choy Ka Fai

アジアにおけるダンスの現在地を探る途方もない試み

ダンサーに刻まれた記憶や経験、身体言語を探り、掴みとること。ベルリン在住のシンガポール人アーティストのチョイ・カファイは、アート、デザイン、テクノロジーを援用しながら、振付家やダンサーへのリサーチを続けている。なかでも、2012年のKYOTO EXPERIMENTでスタートした作品シリーズ『ソフトマシーン』は、アジアにおけるコンテンポラリーダンスのインデックスを作成しようとする試みであり、京都ではcontact Gonzoの塚原悠也がその俎上にあげられた。

その後もリサーチ、制作が続けられている『ソフトマシーン』から、今回はインドのスルジット・ノングメイカパム、インドネシアのリアントという、ふたりのダンサー・振付家との作品が紹介される。それぞれの国の古典舞踊を学びながら、伝統に留まらないコンテンポラリーな活動を続けるふたり、そのドキュメンタリー作品でありながら、アジアへの図式的理解を食い破るダンサーの豊穣な身体を目撃する機会ともなるだろう。また、アジア的身体へと深く潜っていくリサーチの行方は、日本の観客にとってダンスに限定されない切実さをもって浮かび上がるに違いない。

『ソフトマシーン:スルジット・ノングメイカパム』

スルジット・ノングメイカパムは種々のインド伝統舞踊や武道を習得したインド・マニプール出身の若手コンテンポラリーダンサーである。今回のドキュメンタリーパフォーマンスでは、欧州の観客に向けたダンス作品の制作過程を実演することで、芸術的戦略、市場理論、自身を妖艶に見せるための曖昧な試みを暴き出す。

『ソフトマシーン:リアント』

リアントは、ジャワの伝統舞踊を幅広くマスターしながら、「レンゲル」と呼ばれるクロスジェンダーの官能的伝統舞踊を得意とするインドネシア・バニュマス出身のダンサーである。2003年に東京に移住して以来、異なる舞踊訓練を積み、自身の出自である伝統舞踊に由来しながらもそこから飛び立とうとしている。本作では、田園から都市へのグローバルな転換に際しての伝統舞踊とコンテンポラリーダンスの経験間の緊張状態を問う。

チョイ・カファイ『ソフトマシーン:リアント』 2016 京都芸術センター 撮影:井上嘉和 チョイ・カファイ『ソフトマシーン:リアント』 2016 京都芸術センター 撮影:井上嘉和 チョイ・カファイ『ソフトマシーン:リアント』 2016 京都芸術センター 撮影:井上嘉和 チョイ・カファイ『ソフトマシーン:リアント』 2016 京都芸術センター 撮影:井上嘉和 チョイ・カファイ『ソフトマシーン:リアント』 2016 京都芸術センター 撮影:井上嘉和 チョイ・カファイ『ソフトマシーン:リアント』 2016 京都芸術センター 撮影:井上嘉和 チョイ・カファイ『ソフトマシーン:スルジット』 2016 京都芸術センター 撮影:井上嘉和 チョイ・カファイ『ソフトマシーン:スルジット』 2016 京都芸術センター 撮影:井上嘉和 チョイ・カファイ『ソフトマシーン:スルジット』 2016 京都芸術センター 撮影:井上嘉和 チョイ・カファイ『ソフトマシーン:スルジット』 2016 京都芸術センター 撮影:井上嘉和 チョイ・カファイ『ソフトマシーン:スルジット』 2016 京都芸術センター 撮影:井上嘉和 チョイ・カファイ『ソフトマシーン:スルジット』 2016 京都芸術センター 撮影:井上嘉和 (左)『ソフトマシーン:リアント』、(右)『ソフトマシーン:スルジット』ビデオスチル ©Choy Ka Fai
YEAR
2016 SPRING
DATES
3.11(金)-3.13(日)
VENUE
京都芸術センター 講堂
DURATION
100分(休憩含む)
LANGUAGE
英語(日本語での逐次通訳および字幕あり)
CITY
シンガポール
CATEGORY

チョイ・カファイ
Choy Ka Fai

演出家・アーティスト・マルチメディアパフォーマー。シンガポール生まれ、ベルリン在住。未来の不確定さをあわせ持つ歴史や理論にインスピレーションを受けて作品を制作。人間の身体、および、記憶や表現を生み出す源といった実体のないものへの探求がテーマになっている。こうした要素がアート、デザイン、テクノロジーと複雑に出会う場所を作品化する。シンガポール国立芸術協議会の海外助成を得て、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アート(デザインインタラクション) を卒業。2010年にはシンガポールヤングアーティスト賞を受賞。2014–2015年は、ベルリンのKunstlerhaus Bethanien にてレジデンスアーティストとして滞在制作を行う。シンガポールアートフェスティバル(2012)、Tanz Im August Berlin(2013、2015)、ImPulsTanz Festival Vienna(2015)を始めとする主要な国際フェスティバルで作品を発表している。

スルジット・ノングメイカパム
Surjit Nongmeikapam

ダンサー・振付家。インド・マニプール出身。Natya Institute of Kathak and Choreography 卒業。Natya Stem Dance Kampni(バンガロー)ではコンテンポラリーダンサーとして、また、Natya Maya(バンガロー)では古典舞踊のダンサーとして活動。その他、フリーランスのダンサーとして海外の振付家ともコラボレーションを行う。Theater Spektakel Zurich(2012) 、Monsoon(ボザール、ブリュッセル、2013)、Somarts(サンフランシスコ、2014)、Dance Umbrella(ロンドン、2015)などで作品を発表している。

リアント
Rianto

ダンサー・振付家。インドネシアと東京を拠点に活動。インドネシア・バニュマス生まれ。ジャワの古典舞踊を幅広くマスターしながら、「レンゲル」とよばれるインドネシアの伝統舞踊を専門にする。東京のデワンダル・ダンスカンパニーのディレクターでもある。インドネシア国立芸術大学スラカルタ校舞踊科を卒業後、北村明子、Sen Hea Ha(韓国)、Chen Shi Zheng(中国)をはじめとする振付家や演出家とコラボレーションを展開、国際的に活躍している。

構成・演出・出演・記録チョイ・カファイ
出演・振付リアント、スルジット・ノングメイカパム
ドラマトゥルクタン・フクエン
音響ズルキフレ・マーモド
照明デザインアンディー・リム(Stage“LIVE”)
制作ヤップ・セオク・フイ
逐次通訳・日本語字幕井上知子
照明筆谷亮也
製作チョイ・カファイ
主催KYOTO EXPERIMENT
謝辞

ソフトマシーンは da:ns festival 2015 での上演のため、エスプラネード・シアターズ・オン・ザ・ベイ(シンガポール)より委託を受け、ナショナル・アーツ・カウンシル ・シンガポールの助成と、シアター・ワークス(シンガポール) 、NPO法人Dance Box(神戸)、KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭、Attakkalari Centre for Movement Arts(インド・バンガロール)、Living Dance Studio(中国・北京)の協力を得て製作された。

ソフト・マシーン・デジタル・アーカイブスは deSingel International Kunst Campus(ベルギー・アントワープ)の協力により製作された。

ARCHIVE

  • チョイ・カファイ 『Soft Machine』 京都芸術センター フリースペース 撮影:阿部綾子

    チョイ・カファイ

    “Notion: Dance Fiction” and “Soft Machine”