公式プログラム

グループ展「ケソン工業団地」
[ イ・ブロク、イム・フンスン、ユ・ス]

グループ展「ケソン工業団地」(2019) 京都芸術センター 撮影:来田猛

大規模経済政策で生まれ、政治的緊張で停止された特異点
そこで過ごした人々の生活の息づかい

半島を南北に隔てる軍事境界線からわずかに北。ケソン工業団地は、朝鮮民主主義人民共和国が土地と労働力、大韓民国が資本と技術力を提供して形成され、南北双方の人々が共に働く特異な場として2004年から10年以上にわたって操業されていた。しかし現在は両国間の政治的緊張のため2016年より閉鎖されている。2018年の夏、文化駅ソウル284で開催された展覧会「ケソン工業団地」は、ケソン工業団地を外から見た大きな経済の物語として語るのではなく、そこで日常生活を送っていた一人ひとりによって築かれていた親密なコミュニティにフォーカスし、ケソン工業団地の新しい肖像を描こうとする企てであった。その展覧会から、3人のアーティストによる作品を京都で紹介する。
縫製工場を模したイ・ブロクの『Robo Cafe』にはミシンを備えたテーブルが並び、生産性に関するスローガンを縫い取ったテーブルクロスがかかっている。棺を背負って山を登るイム・フンスンの映像作品『Brothers Peak』から、ソウルのゲイコーラスグループ・G_Voiceの歌声と脱北者のイ・ヒャンが演奏するアコーディオンが響く。南北の労働者が互いに交し合った贈り物を提示するユ・スのインスタレーションでは、贈られた物を見つめることによってケソン工業団地の本質的な意味は何だったのかを問いかける。越境が可能な限られた時間の中で南北の人々の交流が育んだ種は、いかに未来へ開かれてゆくのか。

グループ展「ケソン工業団地」(2019) 京都芸術センター 撮影:来田猛 グループ展「ケソン工業団地」(2019) 京都芸術センター 撮影:来田猛 グループ展「ケソン工業団地」(2019) 京都芸術センター 撮影:来田猛 グループ展「ケソン工業団地」(2019) 京都芸術センター 撮影:来田猛 グループ展「ケソン工業団地」(2019) 京都芸術センター 撮影:来田猛 グループ展「ケソン工業団地」(2019) 京都芸術センター 撮影:来田猛 グループ展「ケソン工業団地」(2019) 京都芸術センター 撮影:来田猛 グループ展「ケソン工業団地」(2019) 京都芸術センター 撮影:来田猛 グループ展「ケソン工業団地」(2019) 京都芸術センター 撮影:来田猛
YEAR
2019
DATES
10.5(土)-10.27(日)
VENUE
京都芸術センター
講堂、大広間、ギャラリー 南、インフォメーション、ミーティングルーム2
CITY
ソウル、韓国
CATEGORY
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当日パンフレット

イ・ブロク
Lee Boo-rok

1971年生まれ。ソウルを拠点に活動するアーティスト。ソウル大学で オリエンタル絵画を学んだのち、言語や記号、アバターや自己、社会における相関的アイデンティティーの問題といったテーマを、ソーシャルメディア、インスタレーション、映像、書籍を通して探求している。韓国国内だけでなく、海外でも作品を発表。作品はソウル市立美術館、光州市立美術館、国立現代美術館(ソウル)のアートバンクに所蔵されている。

イム・フンスン
Im Heung-soon

1969年生まれ。ソウルおよび済州島を拠点に活動するアーティスト・映像作家。写真、インスタレーション、映画をはじめとする様々な表現を用いて、社会的、政治的に周縁化され、資本主義や国家という枠組みにおいて疎外される人々の生き様を追いかける。『Factory Complex』(2014/2015)『Reborn』(2017)『Things that Do Us Part』(2018)を含む長編映画も手がける中、最近ではがシャルジャ・ビエンナーレ(2015、アラブ首長国連邦)、MoMA PS1(ニューヨーク)、国立新美術館(東京)、テート・モダン(ロンドン)、リンカーン・センター(ニューヨーク)、ポンピドゥー・センター(パリ)等で作品を発表。映画『Factory Complex』 は、2015年の第56回ベネチア・ビエンナーレで銀獅子賞を受賞している。

ユ・ス
Yoo Soo

大学で写真を学び、韓国の雑誌『Minjog21』のフォト・ジャーナリストとして活動した後、現在はアーティストとして活動する。2006年5月にプレスセンター(ソウル)および民主公園(釜山)を会場に、展覧会「Pyeongyang people visit to Seoul」を企画。自らも作品を発表している。近年の活動に、南北朝鮮による満月台(開城市)の共同発掘プロジェクトに関する特別展を平昌郡で企画。

キュレーターパク・ケリ
アシスタント・キュレーターキム・テヒョン
アーティストイ・ブロク、イム・フンスン、ユ・ス
アシスタントコ・ヘジン、チェ・イルジュ
協賛サンミシン工業、京都府ミシン電気商業協同組合、TNL DASAN ART Co., Ltd.
協力京都市立芸術大学芸術資源研究センター、京都市立美術大学ギャラリー@KCUA
助成韓国芸術経営支援センター、CENTER STAGE KOREA、文化体育観光部
主催KYOTO EXPERIMENT、京都芸術センター