公式プログラム

神里雄大/岡崎藝術座

ニオノウミにて

Photo by Yoshikazu Inoue

内と外、固有種と外来種
旅を続けてきたアーティストが問う生態系

2017年の秋、神里雄大は京都の飲み屋で出会った釣り好きの男性からこんな話を聞いた。琵琶湖では、食性の広さと繁殖力の高さによって膨大な数となった外来魚のブルーギルが固有種を脅かし、既存の生態系を破壊している状況が長年続いている。しかし、特定外来生物に指定され、琵琶湖に限らず全国的にも駆除の対象となっているブルーギルは、もともとは北米に分布している種だ。「ブルーギルを日本に持ってきたのが誰だか知ってる?」と言った男性は、意外な人物の名前を続けた。
外来種を排除するべき悪、固有種を保護するべき善と断じてしまう思考回路は、内と外を切り分けようとする昨今の社会情勢と容易にパラフレーズできてしまう。「伝統」や「オリジナル」といった固有種に象徴されるイメージは、本当に真なるものなのだろうか。外来種のいなくなった湖は美しく生まれ変わるのだろうか? しかし、リサーチを進めていくにしたがって、固有種と外来種の単純な対立のみならず、さまざまな思惑が複雑に絡みあう琵琶湖の状況が明らかになってきて——
近年、南米をはじめ、自身に縁の深い土地を巡る旅を続けてきた神里が、いま、自ら暮らす日本で探る生態系のバランス。

神里雄大/岡崎藝術座『ニオノウミにて』(2019) 京都芸術センター 撮影:井上嘉和 神里雄大/岡崎藝術座『ニオノウミにて』(2019) 京都芸術センター 撮影:井上嘉和 神里雄大/岡崎藝術座『ニオノウミにて』(2019) 京都芸術センター 撮影:井上嘉和 神里雄大/岡崎藝術座『ニオノウミにて』(2019) 京都芸術センター 撮影:井上嘉和 神里雄大/岡崎藝術座『ニオノウミにて』(2019) 京都芸術センター 撮影:井上嘉和 神里雄大/岡崎藝術座『ニオノウミにて』(2019) 京都芸術センター 撮影:井上嘉和 神里雄大/岡崎藝術座『ニオノウミにて』(2019) 京都芸術センター 撮影:井上嘉和 神里雄大/岡崎藝術座『ニオノウミにて』(2019) 京都芸術センター 撮影:井上嘉和 神里雄大/岡崎藝術座『ニオノウミにて』(2019) 京都芸術センター 撮影:井上嘉和
YEAR
2019
DATES
10.25(金)-10.27(日)
VENUE
京都芸術センター
フリースペース
DURATION
100分
LANGUAGE
日本語(英語字幕あり)
CITY
日本
CATEGORY
DOWNLOAD
当日パンフレット

神里雄大
Yudai Kamisato

1982年、ペルー・リマ生まれ。作家・舞台演出家。10代の数年をパラグアイ共和国、アメリカ合衆国などで過ごす。2006年『しっぽをつかまれた欲望』(作:パブロ=ピカソ)で利賀演出家コンクール最優秀演出家賞受賞。2018年には、KYOTO EXPERIMENT 2017で上演された『バルパライソの長い坂をくだる話』で第62回岸田國士戯曲賞を受賞。近年は文芸誌『新潮』に戯曲が掲載され、ソウル、香港、台北、ニューヨークなどで翻訳戯曲が上演(リーディングを含む)されるなど、その作家性が注目を集めている。『亡命球児』(『新潮』2013年6月号掲載)によって、小説家としてもデビュー。政治や社会情勢への態度を積極的に作品に反映させながら、わかりあえない他者との共時性をテーマとした作品を発表している。2016年10月より、文化庁新進芸術家海外研修制度研修員としてアルゼンチン・ブエノスアイレスに1年間滞在した。2011年度〜2016年度公益財団法人セゾン文化財団ジュニア・フェロー。

岡崎藝術座

2003 年、神里雄大の演出作品を上演する団体として結成。2010年から2012年にかけ、3年連続でフェスティバル/トーキョーに参加。2012年『放屁蟲』(『レッドと黒の膨張する半球体』)で台北アートフェスティバル(台北)、2016年には『+51 アビアシオン, サンボルハ』でシドニーフェスティバル(オーストラリア)、クンステン・フェスティバル・デザール(ベルギー)、フェスティバル・ドートンヌ(フランス)に招聘され、海外公演も多数。

https://okazaki-art-theatre.com/

 
作・演出神里雄大
出演浦田すみれ、重実紗果、嶋田好孝
美術・照明dot architects
衣装大野知英
舞台監督・音響大久保歩(KWAT)
照明アドバイザー十河陽平
制作統括本郷麻衣
制作遠山きなり、萩原麗子(京都芸術センター)
琵琶演奏菊央雄司
三線演奏渡久地雅斗
声出演西田範次
英語字幕翻訳アヤ・オガワ
取材協力小田圭一郎、野口卓海、堀井達也、堀越芽生子、松本花音、和田雄介 
ステンレスメッシュ提供アサダメッシュ株式会社
協力やまみちやえ、株式会社precog、木ノ下歌舞伎、合同会社elegirl
助成芸術文化振興基金、アーツコミッション・ヨコハマ
共催KYOTO EXPERIMENT、京都芸術センター
主催・製作岡崎藝術座

ARCHIVE

  • 神里雄大/岡崎藝術座『バルパライソの長い坂をくだる話』 京都芸術センター 講堂 撮影:井上嘉和

    神里雄大/岡崎藝術座

    バルパライソの長い坂をくだる話