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ハシゴ観劇部2018 ツアーレポート②

KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭2018を余すことなく楽しむために立ち上がった「ハシゴ観劇部」。
今月6日にフェスティバルもスタートし、ますます盛り上がってきています!
2回目となる今回は、10月14日の3演目のハシゴを想定してツアーを行いました。(初回の記事はこちら

14:00~ ウースターグループ(京都芸術劇場 春秋座)
17:00~ ロベルタ・リマ パフォーマンス(京都芸術センター)
20:00~ 田中奈緒子(二条城 二の丸御殿台所)

なんと今回は一日で3つの公演をハシゴする弾丸観劇ツアー!!
実はKYOTO EXPERIMENT では、3演目同時購入でお得な「3演目券」(学生券もあり)をご用意しています。もちろんこの記事のように1日で3演目観劇する必要はありませんが、遠方から日帰りでお越しの方はぜひご検討を。

まずは、京都造形芸術大学内にある京都芸術劇場・春秋座を目指して、京阪出町柳駅から出発です!
京阪出町柳駅は京阪本線の終点にあたり、大阪方面からお越しの方は京阪が便利ですよ。

出町柳から春秋座へ

ツアー当日は少しすっきりしない天気でしたが、運良く雨には降られず、ハシゴ観劇部は京阪出町柳駅に集合しました。まず一行は最初の目的地、春秋座へ!

今出川通に面する「出町柳駅前」停留所から市バス3系統(「北白川仕伏町行き」は京都造形芸大前には停まりませんのでご注意ください)に乗り込み「上終町京都造形芸大前」で下車し、京都造形芸術大学へ向かいます。
造形大に着くとそこでも人ひとヒト…。なんとこの日は造形大のオープンキャンパスの日であったこともあり、多くの人が訪れていました。初めて見る人は驚くであろう、圧巻の造形大正面の大階段を登りきり、劇場のある人間館(本部棟)へずんずん進み、春秋座に到着しました。
春秋座は大学内にあるという、珍しい劇場で、京都造形芸術大学の副学長だった3代目市川猿之助(現・二代目市川猿翁)が監修した、本格的な歌舞伎にも現代劇にも対応できる劇場です。劇場の内装はどこか「歌舞伎」感が漂っています。KYOTO EXPERIMENTではウースターグループロラ・アリアスの2演目が春秋座で上演されますが、劇場目当てに行ってみるのも面白いかもしれません。

京都造形芸術大学の周辺にはおしゃれで落ち着きのあるカフェやコーヒーショップ、パン屋さんなどがあるので、立ち寄ってから次の会場へ行くこともおすすめです。(文:中西)

ウースターグループ
マルチメディアな手法を駆使し、1975年に活動を開始以来ニューヨークの小劇場シーンを牽引する伝説的劇団、ウースターグループ。映画『スパイダーマン』にも出演していたウィレム・デフォーなど名優を輩出。演劇に映像や他ジャンルのメディアを取り入れたパイオニアであり、実験演劇の最前線に立ち続けています。1971年、ニューヨーク、タウンホール。第二波フェミニズム真っ最中に女性の解放をめぐる討論会が行われていました。伝説的なこの討論会は、ドキュメンタリー映画『タウン・ブラッディ・ホール』におさめられており、ウースターグループは映画から引用した映像を背後に実在の人物たちに扮して、当時の出来事を再構築し現代に蘇らせます。

春秋座から祇園四条へ

再び「上終町京都造形芸大前」から市バス3系統で「出町柳駅前」へ。次の目的地の京都芸術センターへ向かうべく、京阪「出町柳駅」から「祇園四条駅」で下車。祇園四条から周辺を散策しながら京都芸術センターを目指します。
祇園四条から京都芸術センターまでは、四条通りを歩いて15分ほどなので、周辺を散策する時間もあります。

 

京都芸術センターまでちょっと寄り道・・・

祇園四条駅から四条通を西に進み、木屋町通を北に向かったところにあるFORUM KYOTOでは、KYOTO EXPERIMENT 2018のメインビジュアルである、写真家・金川晋吾の展示を開催中です。20年以上も行方知れずだった伯母を2010年から撮影し続けている「Kanagawa Shizue」シリーズの展示です。ここではコーヒーやアルコールも楽しむことができ、フェスティバル開催期間中にはロベルタ・リマのリサーチにご協力いただいた、招德酒造のお酒も飲むことができます。観劇後にここで感想を語り合うのも良いですね。(営業時間:午後5時〜午前1時)

FORUM KYOTOの向かい側は現在改修工事中の立誠小学校跡地に、新施設オープンに先がけ立誠図書館が4月に開館しました。図書館というよりは、「図書室」という言い方が似合う懐かしい空間で、内装にも、そして本のチョイスにも隅々までこだわりが。レトロな雰囲気の施設内に併設されている「TRAVELING COFFEE」では淹れたてのコーヒーとお菓子も楽しめるので、観劇の合間にほっと一息つくことができます。

京都芸術センター

阪急烏丸駅駅近くにある京都芸術センター。小学校の旧校舎にできた京都芸術センターには複数の展示室があり、KYOTO EXPERIMENT 2018でも、ロベルタ・リマ山城知佳子の展示や、フェステイバルを締めくくる10月25〜28日には、劇作家・演出家の市原佐都子/Qが、「毛美子不毛話」「妖精の問題」の代表作2作を上演します。京都芸術センターは「いつ行っても何かやっている」というぐらい公演や展示が開催されていますが、取材に行った時は「The Instrument Builders Project」という楽器創作のプロジェクトをやっており、見たこともない楽器があちこちにありました。

ロベルタ・リマ
去年の秋、京都・伏見の招德酒造で女性杜氏の仕事にインスピレーションを得たロベルタ・リマは、「水」をモチーフにインスタレーションとパフォーマンスを発表します。会期中に3回行われるパフォーマンスは毎回内容が異なり、インスタレーションもそのたびに変化するので、何度も展示をみるのもおすすめです!

 

二条城へ

京都芸術センターから次の会場である二条城までは、三条通りを歩いて行くのがおススメです。
電車では「地下鉄四条駅⇒烏丸御池駅で乗り換え、東西線二条城前駅で下車⇒出口を出てすぐ目の前に二条城」というルートですが、徒歩でも、京都芸術センターから三条通りをずっと堀川通りに向かえば、20分ほどで移動できる距離です。緩やかな下り坂なので思ったよりも早く移動できる上に、いろいろと立ち寄れるスポットがあるので楽しみながら歩くことができます。京都・大阪・滋賀の作家の器や小物を扱うお店や、かき氷やパンケーキの有名店、老舗の和菓子店など、誘惑がいっぱいで買い食いせずにはいられません!
三条通から堀川通を挟んで向かいには、西日本最大級の全長800メートルのアーケード、毎年ビールフェスティバルが開催されることでも有名な、”365日晴れの街”の「三条会商店街」があり、二条城での公演前後、どこで時間すごそうかな~という方にはぜひ訪れてほしいところです。

 

おススメのお店がありすぎて、困ってしまうのですが、今回は京都で幅広い年齢層から人気を集めるカフェ「さらさ」の三条会商店街店「さらさ3」で食事をいただきました。焼きたてピザ2種とフライドポテトを注文し、ツアー隊4人でシェア。実はポテトのボリュームがすごくて、食べても減らない無限ポテト状態。家族や友達とシェアするにはとてもいいサイズでした。店舗の奥にはソファ席があり、ゆったり過ごしながらその日観たパフォーマンスについて語りあうのに良い空間・雰囲気です。隣接する姉妹店ではお店でも楽しめる焼き菓子が販売されているので、お土産にも最適です。
「さらさ3」から、田中奈緒子の公演当日の入場口になる二条城の東大手門までは約5分。公演だけではなく、商店街で散策もできる「京都芸術センター→二条城徒歩コース」ぜひお試しください。(文:吉本)

田中奈緒子
ドイツを拠点にインスタレーション・パフォーマンスという形式によって独自の領域を拓く田中奈緒子。歴史の痕跡を撫でるように巡る「光時計」がオブジェクトを照らし、物語を紡いでいきます。最新作『Still Lives』が上演されるのは、普段は一般公開されない二条城の二の丸御殿台所。二条城という特別な空間で見られるのは今回だけ!

 

まだまだ続くKYOTO EXPERIMENT2018。記事で紹介したもの以外にも、ヴェネチア・ビエンナーレ2018舞踊部門では銀獅子賞を得て、さらに評価を上げているダンサー/振付家のマレーネ・モンテイロ・フレイタスがギリシャ悲劇に挑む『バッコスの信女—浄化へのプレデュード』(ロームシアター 京都)や、フェスティバル常連とも言えるShe She Popの『フィフティ・グレード・オブ・シェイム』(京都府立府民ホール”アルティ”)などこれからも注目作が盛りだくさん。ぜひ最後まで楽しんでくださいね!!

 

取材・文章 中西杏・吉本香織(KYOTO EXPERIMENT ボランティア)
      イ・ジェウォン(KYOTO EXPERIMENT インターン)
写真・構成 後藤孝典(KYOTO EXPERIMENT インターン)