あなたが眠りについたころ あの鳥は
私は日常生活の中で、現実と説明のつかない世界との境界、あるいはその裂け目にふと立たされたときの感覚に着目して制作をしています。
私は幼い頃から、現実から離れる“スイッチ”のようなものに惹かれています。たとえば人形遊びでは、身体は現実にありながらも意識は空想の中に没入し、現実から一時的に離れる感覚があります。このように、「今ここ」と「どこかあちら側の世界」の間に立つような感覚は、今もなお日常生活のふとした瞬間に感じることがあります。街路樹の木目がわたしを見つめるたくさんの目に見えるとき、奥の見えないトンネルの前に立つとき、あそこの電線にだけ鳥が集まるとき、暗い窓の外からフクロウの声が聞こえるときなど、日常の中で「今ここ」がわずかに歪む瞬間に現れます。
日常の中のさりげない行為があちら側の世界への敷居を跨ぐような行為に変わるスイッチを探しています。曖昧で不確かな感覚を、油彩とぬいぐるみ、それらを組み合わせて視覚的・空間的に表現することで現実が歪む気配を探っています。
アーティストプロフィール
お問合せ:honokadobashi@gmail.com / 090-7136-9822
主催:岡本 光博
*フリンジ:More Experimentsのお問合せ先は主催者へご連絡ください。