読み物

マーク・テ / ファイブ・アーツ・センター『トゥアの片影』公演前メッセージ

2025.9.24 (Wed)

Photo by Pam Lim

Photo by Pam Lim

マーク・テ / ファイブ・アーツ・センター『トゥアの片影』(2025年10月4日~5日)公演に向けて、マーク・テと交流がある方々からメッセージが届きました!


動機がそのままビジュアライズに直結する演出家。はじめて見たのは2009年、当時マスコミを賑わした政治家の謎の投身事件を、現場遺体のチョークアウトラインを吹き抜け雑居ビルの地面に描き再現、上階から覗き込んでいる観客を手招きし、その形に横たわれと。私も手招きされて同じ形に横になり、気が付いたら周りに蝋燭が立ち並び、マークの姿は消えていた。

山下残

山下残(振付家・ダンサー)

山下残(振付家・ダンサー)


マーク・テの演劇を観るとき、マレーシアの歴史に埋もれた記録や記憶が自分の中で血肉化する感覚を覚える。『トゥアの片影』も、古典的なキャラクターを逆手に取りつつ、今を生きる私たちが必要とする、現在進行形の物語を提供してくれるだろう。演劇の枠組みを超え、ジャーナリズムのようでありながら、詩的な物語でもある。

井髙久美子(キュレーター)

井髙久美子(キュレーター)

井髙久美子(キュレーター)

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