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演劇
magazine
2023.10.17
いよいよKYOTO EXPERIMENT 2023も閉幕まで残り6日となりました。
クロージング演目で、10月21日~22日に上演されるマリアーノ・ペンソッティ『LOS AÑOS(歳月)』の日本初演に向けて、バーゼル演劇祭(スイス)のウェブサイトに掲載された演劇研究者・内野儀氏の作品レビューを一部ご紹介します!
内野氏は2022年のバーゼル演劇祭にゲストとして招聘され、演劇祭期間中に英語でレビューを執筆しました。
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『LOS AÑOS(歳月)』は、未来の可能性、記憶、政治的な意味合いが複雑に織り混ざった、これまでにないレイヤーを持つ空間として浮かび上がってくる。何よりもこの作品が持つ空間は、極めて個人的でありながら、同時に極めて高い公共性を持つものでもある。単に「個人的なものが政治的である」のではなく、私たちの目の前で展開されるのは、(「moving」という言葉が持つ両方の意味で)もっと動的であり、感動的なものなのだ。それは、劇中の登場人物たちによる、そして登場人物たちのための、そしておそらく創り手自身による・ための、緻密に計画され、芸術的に構成された、精巧なチューニングのもとの自己省察の場である。要するに、ポストドラマ演劇の時代には珍しい、非常に優れたドラマ演劇なのだ。
出典元:バーゼル演劇祭 ウェブサイト(https://www.theaterfestival.ch/22_rezensionen/)
翻訳:KYOTO EXPERIMENT