プログラム

筒井 潤

墓地の上演

Shows 演劇
日時

10.9 (Thu) 18:00

10.10 (Fri) 18:00

10.11 (Sat) 13:00

10.12 (Sun) 18:00

10.13 (Mon) 15:00

場所
上演時間

180分

料金

一般:¥3,000
ユース(25歳以下)・学生:¥2,500
高校生以下:¥1,000
ペア:¥5,500

言語

日本語(英語字幕あり)

大文字の「国家の歴史」に抗う
個人の戦争体験と記憶のアーカイブ

戦後80年の今、舞台芸術はいかに戦争の記憶を継承し、他者との対話の場を拓きうるのか。公演芸術集団dracomを率いる筒井潤が、大阪市の旧真田山陸軍墓地をめぐるリサーチとヒアリングを重ねて2024年に発表した演劇『墓地の上演』は、その嚆矢となる実験的な試みだ。

1871年に設置された国内最古にして最大の陸軍埋葬地には、軍と戦争に関わった人びとの約5000基の墓碑と5基の合葬墓碑、そして8000以上の遺骨が納まる納骨堂がある。ここから殉国や英霊の大義とは対極にある「個人の記憶と記録」を掬い上げ、6つの短編を創作した筒井。時代は西南戦争後から現代まで。わたしたちは断片的ながら、個人史を通した近代日本の歩みを目撃することとなる。

本作の上演構造は特殊で、短編の上演順は観客が引くクジで決定し、「観客参加の対話」の時間を挟んで、もう一度上演が行われる。それも各回5編のみが上演されるため、常に見落とされる物語が出てしまう。「語られ方」を恣意的にずらすことで、観る人の印象を揺さぶっていく本作は、歴史における「語りの危うさ」への問題提起にもなることだろう。

* 本作の初演は、京都芸術大学共同利用・共同研究拠点形成事業〈舞台芸術作品の創造・受容のための領域横断的・実践的研究拠点〉2023 年度テーマ研究I
「舞台芸術を用いた〈他者〉との対話の場の構築と継続―旧真田山陸軍墓地を巡る二つの創作を通して」(研究代表:岡田蕗子)の劇場実験にて、上演されました。

注意事項:
上演中に観客との対話の時間あり。


アーティストプロフィール

筒井 潤

大阪(日本)

演出家・劇作家。大阪・北摂を拠点とする公演芸術集団dracomのリーダー。2007年京都芸術センター舞台芸術賞受賞。Segal Center Japanese Playwrights Project 2018において日本現代演劇の優れた戯曲の1つとして代表作『ソコナイ図』が選出される。dracomとしてサウンド・ライブ・トーキョー2014、東京芸術祭ワールドコンペティション2019、NIPPON PERFORMANCE NIGHT(デュッセルドルフ)などに参加。個人としてはDANCE BOX主催『新長田のダンス事情』(TPAM2014参加)で演出、ルリー・シャバラ『ラウン・ジャガッ:極彩色に連なる声』(KYOTO EXPERIMENT 2021 AUTUMN)で空間演出を担当。他に山下残、マレビトの会、維新派、桃園会、羽鳥嘉郎、akakilike、悪魔のしるし、ホー・ツーニェン、Mi-Mi-Biなどの公演や作品に参加した。