クルージング:旅する舌たち
10.24 (Fri) -10.26 (Sun)
60分(予定)
一般:¥3,000
ユース(25歳以下)・学生:¥2,500
高校生以下:¥1,000
ペア:¥5,500
日本語、英語、フィリピン語、台湾華語、カパンパンガン語、台湾語(日本語・英語字幕あり)
海を越えて混ざり合う
食と言語をめぐる記憶の旅へ
アジアの島々を群島と捉え、台北アーツフェスティバルが実施するリサーチプログラム「Cruising」。2024年は日本・フィリピン・台湾を拠点とするアーティスト4名が「食」をテーマに、文化やアイデンティティの多層性、混交性に着目したリサーチを台北と関西で行った。そこから豊かに実ったパフォーマンス作品を、台北に続き京都で上演する。
メンバーはアーティスト・コレクティブ「オル太」メンバーのJang-Chi、台北拠点でパフォーマンスとビジュアル・アートを横断した活動を行う李銘宸、フィリピン出身の俳優・ドラマトゥルクのネス・ロケ、台湾生まれで日本語で小説を執筆する温又柔。それぞれの母語とそうでない言語が飛び交う舞台では、さまざまなトピックが旅していく。話題は太古の島々の発酵食から、互いの言語や翻訳にまつわるエピソード、大切な味の記憶まで。やがてキッチンでもある舞台で、できあがるものとは。
注意事項:
独特の強いにおいが発生する食材を使用する可能性があります
アーティストプロフィール
Jang-Chi
東京(日本)
舞台作家・美術家。東京拠点。2009年にアーティスト・コレクティブ「オル太」を結成し、近年ではビジュアルアーツ/パフォーミングアーツの制度とのユーモラスで挑発的な折衝や、社会学的/民俗的フィールドワークを重ねながら、インスタレーション、映像、ゲーム、演劇など分野横断的な身体表現を展開している。これまでの作品では、近代化における都市と産業の関係性、様々な人種やジェンダーのなかで画一的には語ることができない社会や歴史の複雑さに焦点を当ててきた。オル太の最新プロジェクトに は、YPAM から委嘱を受けた『ニッポン・イデオロギー』(2023-)や『Living Conditions』(豊田市美術館、2024)がある。国際芸術祭「あいち 2025」では新作を発表する。公益財団法人セゾン文化財団セゾン・フェローI。
李 銘宸(リー・ミンチェン)
台北(台湾)
演劇アーティスト、ビジュアルデザイナー、写真家。
2009 年より風格涉/社 (FONG KO SHE)の名でパフォーマンス/演劇作品を創作、発表している。演出家として他のアーティストとの共同制作やコラボレーションも行う。舞台芸術、ドラマトゥルク、ビジュアルアート、サウンドアート、デジタルアート、写真など多様な分野で活動している。主な創作アプローチとして演劇を活用し、集団的即興を用いる。日常生活からインスピレーションを得て、モノの曖昧さや共感覚に焦点を当て、台湾の現代的なアイデンティティと人新世が混ざり合った現実/混沌を重層的に描く作品を制作している。
ネス・ロケ
マニラ(フィリピン)
俳優、ドラマトゥルク、教育者。1991年フィリピン・アンヘレス生まれ。演劇、映画や社会課題の解決をプロジェクトで活動する。文部科学省奨学金を得て、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科修士課程を修了。研究テーマは、「パフォーマンスの自己エスノグラフィー」と「国際的なアートコラボレーションと共同制作」。
アート、リサーチ、コミュニティとの活動を融合する複合領域的な集団「Salikhain Kolektib」のメンバー。2022年に、Salikhain Kolektibは「グッドスクール共同研究」の一員として、ドイツ・カッセルで開催された「ドクメンタ15」に参加した。2023年からは、『宇宙船イン・ビトゥイーン号の窓』(作・演出:岡田利規)の出演者として、日本の現代演劇カンパニー・チェルフィッチュとともに、東京、京都、中国・烏鎮、ブラッセル、ソウル、パリをツアー。ドラマトゥルクとして参加した公演には、フィリピン教育演劇協会(PETA)と京都の演劇ユニット・BRDGのコラボレーション『Sari-Sali: Portal Cafe』(マニラ・2024)がある。主な映画出演には、ラヤ・マーティン監督の『How to Disappear Completely』(ニューヨーク近代美術館・2017、ロカルノ国際映画祭・2013)と『Now Showing』(カンヌ国際映画祭監督週間・2008)がある。
温 又柔
東京(日本)
小説家。1980年、台湾・台北市生まれ。両親とも台湾人。幼少時に来日し東京で成長する。2009年、『好去好来歌』で第33回すばる文学賞佳作を受賞し作家デビュー。『台湾生まれ 日本語育ち』(2015、白水社)で第64回日本エッセイスト・クラブ賞(2016)、「文学作品を通じて多文化共生社会に貢献した」として文化庁より長官表彰(2019)、『魯肉飯のさえずり』(2020、中央公論新社)で第37回織田作之助賞受賞(2020)。他の小説集に『来福の家』(2011、集英社)、『空港時光』(2018、河出書房新社)、『永遠年軽』(2022、講談社)、『祝宴』(2022、新潮社)、『恋恋往事』(2025、集英社)、エッセイ集に『私のものではない国で』(2023、中央公論新社)など。
主催:KYOTO EXPERIMENT、国際交流基金
共同製作:KYOTO EXPERIMENT、台北パフォーミングアーツセンター、国際交流基金
*令和7年度国際交流基金舞台芸術国際共同制作事業として制作