展示・トーク
Kansai Studies
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Kansai Studiesは、KYOTO EXPERIMENTの3プログラムのうちの一つであり、リサーチを主体としたプロジェクトだ。京都を中心とした関西エリアを、アーティストと共にリサーチし、そこで発見されたもの、そのプロセスで起こった出来事や思考を、テキストや写真、動画で記録し、特設ウェブサイト上で公開していく。アウトプット形式を事前に決めず、作りながら考え、その過程も公開しながら、数年かけてリサーチを続けていくことが特徴だ。
2020年度は、大阪を拠点とする建築家ユニットdot architectsと、京都を拠点とする演出家の和田ながらが中心となり、「水」をテーマにする。そもそも「水」とは、生物の生存に欠かせない物質であると同時に、農耕、漁業、流通、産業、工業など人の生活のあらゆる営みにつながる存在であり、ひとつとして同じものはない「動き」をもつ。アーティストとは、いわば空間に身体を投げ出し体感することで空間を咀嚼するような人たちだ。そんな彼らとともに水にまつわる現場に出向き、この地で水がなしてきた様々な出来事を探っていく。
過去10年のKYOTO EXPERIMENTでも、国内外の多くの参加アーティストが京都での滞在経験を元に作品を創作・発表してきた。滞在やリサーチ中に発見されたたくさんの事柄は、作品に結実するときに、アーティストによって咀嚼され、抽象化されることで力が宿る。だが、裏返すと、その背景には、作品に結びつかなかった多くの発見や、発見から導かれた思考、発想、つまり魅力的な原石が隠されているということにほかならない。Kansai Studiesは、そんな原石を、世界中から集うほかのアーティストや、あらゆる人びとと共有するためのアイデアだ。アーティストの目をとおしてすくい上げられた原石によって、参加者が世界を豊かに広げてくれることを願っている。
Kansai Studies 特設サイト
展示|3.20 (土) – 3.28 (日) 12:00 - 20:00
トーク|3.20 (土) 13:00 – 14:30
■ Kansai Studiesのリサーチプロセスを体験できる展示
日時: 3月20日 (土) – 3月28日 (日) 12:00 - 20:00 (会期中無休)
会場: 京都芸術センター 制作室1 (北館1F)
■ オープニングトーク
日時: 3月20日 (土) 13:00 – 14:30
会場: 京都芸術センター 制作室1 (北館1F)
登壇: リサーチメンバー (dot architects、和田ながら)
■ オープンリサーチ「まちなかに水を探す」
日時: 3月21日 (日) 10:30–13:00
集合: 京都芸術センター 制作室1 (北館1F) *オリエンテーション後、まちなかにリサーチにでかけます。
リサーチリーダー: 和田ながら (Kansai Studies リサーチメンバー / 演出家)
申し込みフォーム・詳細はこちら→ https://kyoto-ex.jp/news/2021s-opensearch/
- 地下鉄烏丸線「四条駅」、阪急京都線「烏丸駅」下車、22・24番出口より徒歩5分
dot architects
日本
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家成俊勝、赤代武志により設立された建築家ユニット。大阪・北加賀屋にて、アート、オルタナティブ・メディア、アーカイブ、建築、地域研究、サークル、NPOなど、分野にとらわれない人々や組織が集まる「もうひとつの社会を実践するための協働スタジオ」コーポ北加賀屋を拠点に活動。設計、施工のプロセスにおいて専門家・非専門家に関わらず様々な人との恊働を実践している。設計だけに留まらず、現場施工、リサーチプロジェクト、アートプロジェクトなど様々な企画にもかかわる。代表作はUmaki camp(2013、小豆島)、千鳥文化(2017、大阪)など。第15回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展(2016)にて審査員特別表彰を受賞(日本館出展作家)。これまでもKYOTO EXPERIMENTではデザインチームUMA / design farmとのリサーチプロジェクト「researchlight」を展開。現在のメンバーは家成俊勝、赤代武志、土井亘、寺田英史、宮地敬子、池田藍、石田知弘の7名。
和田ながら
日本
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京都造形芸術大学芸術学部映像・舞台芸術学科卒業、同大学大学院芸術研究科修士課程修了。2011年2月に自身のユニット「したため」を立ち上げ、京都を拠点に演出家として活動を始める。日常的な視力では見逃し続けてしまう厖大な細部を言葉と身体で接写する、あるいは捉えそこないつまづくさまを連ねるように作品を制作。美術家や写真家など異なる領域のアーティストとも共同作業を行う。2015年、創作コンペティション「一つの戯曲からの創作をとおして語ろう」vol.5最優秀作品賞受賞。2018年、こまばアゴラ演出家コンクール観客賞受賞。2018年より多角的アートスペース・UrBANGUILDブッキングスタッフ。2019年より地図にまつわるリサーチプロジェクト「わたしたちのフリーハンドなアトラス」に取り組んでいる。