リサーチ
Kansai Studies
Kansai Studies ニューリサーチ経過展
Kansai Studiesは、フェスティバルが根ざす関西圏を対象としたリサーチプログラム。アーティストの視点で地域の文化や風土をフィールドワークし、未来の芸術表現を豊かにする「原石」を掘り起こしていくものだ。2020-2022年度は、リサーチメンバーに建築家ユニットのdot architects、演出家の和田ながらを迎え、生活に身近な「水」「食事」「循環」をテーマに実施。KYOTO EXPERIMENT 2022では、3年間の集大成として演劇作品の上演を行った。
2023年度からは、新メンバーでのプログラムが始動。公募で集まった5名が現在、各自が設定したテーマでリサーチを行っている最中だ。リサーチ中に起こったあらゆる出来事や発見、思考はテキストや映像で記録され、特設ウェブサイトで随時公開・アーカイブされていく。ここではその一部を抜粋して紹介するが、最新記事はそれぞれのKansai Studies特設ウェブサイトからアクセスしてほしい。
フェスティバル会期中には、リサーチの経過報告を兼ねたパブリックイベントを開催する。
☞パブリックイベント「Kansai Studies ニューリサーチ経過展」の詳細はこちら
[2023年度リサーチメンバー/リサーチテーマ]
今村達紀「路上の園芸とグラフィティなどについて」
谷 竜一「まだ詩になっていない場所をさがす」
野咲タラ「各地域における農耕牛の記憶について」
迎 英里子「関西にある水場を埋めてできた土地についてのリサーチ」
山田淳也「慰霊の文化についてのリサーチ」
10月14日(土)〜10月22日(日)※9日間
開室時間:10:00〜20:00
今村達紀(いまむら・たつのり)
振付家・ダンサー。愛媛大学理学部生物地球圏科学科卒業。堆積学専攻。卒業後愛媛大学医学部で病理切片と電子顕微鏡の試料作成に携わる。2008年京都に移住。描く軌跡、音の響き、動きの軌跡にフォーカスしたイベント「echo 」を不定期に行っている。
2014年4月1日から毎日どこかで呼吸を止めて踊っている。
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谷 竜一(たに・りゅういち)
詩人・演劇作家・芸術労働者。1984年福井県大飯郡高浜町生まれ。東舞鶴高等学校在学中に詩作を始め、山口大学在学中に舞台芸術ユニット「集団:歩行訓練」を立ち上げ、現在まで陰に日向に演劇等の作品を制作。大学院修了後、京都芸術センターアートコーディネーター、京都府地域アートマネージャー(山城地域担当)を経て、2021年より京都芸術センタープログラムディレクター。演劇作家としての近作に、BEBERICA theatre company「あかちゃんとおとなのための演劇 ベイビーシアター『水の駅』」(2022、演出)等。バンド「swimm」のメンバーでもある。
野咲タラ(のざき・たら)
小説・ZINE作家。制作物にウリ科野菜ハヤトウリを通して国内外の各地域の文化を調べた日々の記録『ハヤトウリzine』、徳島阿波水軍の木造船技術が近代に家具づくりに転用された話を調べた紀行文『木造船のその後』(共に2023)、Kaguya PlanetにSF短編小説「透明な鳥の歌い方」を寄稿(2022)などがある。
迎 英里子(むかい・えりこ)
アーティスト。屠畜や石油の採掘、水蒸気の循環など、世の中に存在する不可視の現象=システムをモチーフとし、そのメカニズムを等身大の装置へ変換し、動作させることでシステムを実際に作動させるパフォーマンス作品を制作している。主な展覧会に、国際芸術祭「あいち2022」(2022、墨会館・小信中島公民館、愛知)、ARTS & ROUTES - あわいをたどる旅-(2020、秋田県立近代美術館)など。1990年兵庫県生まれ。2015年京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻彫刻修了。 https://mukaieriko.com/
山田淳也(やまだ・じゅんや)
演出家。劇作や演出、踊りなど。ばくという集まりで集団創作をしている。芸術文化観光専門職大学在学。既存の概念を再解釈、再利用する上演「 」により、既存のことばや秩序を引っ掻き回す。演劇の解体と再利用の先に、今まで気が付かなかったネットワークと上演を開拓することを目的に活動している。主な作品に戯曲「ぱへやンマーケット」、複合パフォーマンス「Anima〈とばりと母系〉」、芸能「野良(演舞)」などがある。 twitter @flclaltena