シンポジウム
セゾン文化財団/KYOTO EXPERIMENT 共同主催 創造環境イノベーションプログラム報告会+シンポジウム
「舞台芸術における多様性とは? 日本における外国コミュニティと地域との関係」
第1部「多様な観客を創造する-英語を活用した“飛び石”プロジェクト」報告会
岡本純子 (セゾン文化財団) より創造環境イノベーションプログラムについての紹介
スピーカー:
ジュリエット・ナップ(KYOTO EXPERIMENT共同ディレクター)
豊山佳美(KYOTO EXPERIMENT広報)
第2部 シンポジウム
スピーカー:
安里和晃 (京都大学 文学研究科国際連携文化越境専攻 准教授)、ウスビ・サコ (京都精華大学学長)
モデレーター:
塚原悠也、ジュリエット・ナップ (KYOTO EXPERIMENT 共同ディレクター )
KYOTO EXPERIMENTで取り組んできた「多様な観客を創造する—英語を活用した“飛び石”プロジェクト」の取組みと成果を紹介する。
プロジェクトはセゾン文化財団の助成事業であり、舞台芸術の観客創造のために行われたものである。
3年間のプロジェクトを通じて見出したことは、観客の多様化および、そうした観客層とのコミュニケーションの重要性であった。
第1部では、芸術機関、芸術祭においてどのように多様性を目指すべきか? という課題について考察する。第2部では移民・移民労働者のエンパワーメントと社会統合を研究している京都大学文学研究科准教授の安里和晃と京都精華大学学長のウスビ・サコ氏をゲストとして招き、芸術祭や大学における多様性、マイノリティコミュニティとの関係性について考える。
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● 「多様な観客を創造する-英語を活用した“飛び石”プロジェクト」報告会(1時間)
KYOTO EXPERIMENTで3年間取り組んだ「多様な観客を創造する-英語を活用した“飛び石”プロジェクト」の報告会。
このプロジェクトでは舞台芸術祭における観客の多様性を獲得し、観客と舞台芸術の関係性を深めることを目的にした。英語を活用して、SNSやフェスティバルのミーティングポイントにて英語話者の新たな観客にアプローチするなどの取り組みを行った。この経験と成果を踏まえ、今後の日本における舞台芸術業界では、観客の多様性を確保するためにどのような仕組みが必要なのかを考える。
● シンポジウム(1時間半)
ゲストスピーカー2人を招き、京都、そして日本における多様性についてシンポジウムを開催する。移民研究専門の安里和晃氏からは多様性の意味や考え方、ウスビ・サコ氏からは京都精華大学での取り組みについて。また、コロナ時代で考えはどのように変化したのかお話をうかがい、芸術やフェスティバルの現場では今後何を実行していくべきか議論する。
安里氏は京都大学で移民また移民労働者のエンパワーメントと社会包摂を研究している。日本の出生率の低下と高齢化は大きな社会的課題である。安里氏はこの課題を解決するには、多様な人々の社会包摂が鍵であり、とりわけ女性や移民をはじめとする多様な人々の社会における参加が求められるとする。社会包摂についての詳細、そして私たちは何を乗り越える必要があるのかについて論じてもらう。そして、多様な人々の参加は舞台芸術でも同じと考えている。
京都精華大学では学生の20パーセントが外国籍の生徒で占めており、サコ氏は2028年までに40パーセントを目指している。大学の多様性を目指すなかで、どのような課題があり、どのような境界線を乗り越える必要があるのか。また、新型コロナウイルス感染症拡大による変化や対策についてうかがう。
2021.10. 8 (金)
第1部 17:15-18:15
第2部 18:30-20:00