展示
ホー・ツーニェン
「ヴォイス・オブ・ヴォイド—虚無の声」(YCAMとのコラボレーション)
VRや3Dアニメを用いて、戦時下の「声」を蘇らせる
シンガポール出身のホー・ツーニェンは、歴史的、哲学的なテクストや素材から、映像作品や演劇的パフォーマンスを発表してきたアーティスト。近年は東南アジアの近現代史につながる、第二次世界大戦期の日本に関心を拡げており、その新作が「京都学派」(西田幾多郎[1870〜1945]や田辺元[1885〜1962]を中心に京都帝国大学で形成された知識人のグループ)をテーマにした映像/ VRインスタレーション。山口情報芸術センター[YCAM]での展覧会に続き、今回、作品テーマと深く関わりのある京都で展示を行う。
作品では主に、京都学派の4人の思想家が真珠湾攻撃の直前、1941年11月末に京都・東山の料亭で行った座談会の記録と、同時代の関連テクストや証言を読み解いていく。結果として、太平洋戦争を思想面で支えたと批判も受ける京都学派だが、ここで行うのは歴史の単純化でも、論理の糾弾でもない。3Dアニメーション、日本のアニメの美学を融合させたVRによって、鑑賞者をアニメーションの登場人物へと同一化させながら、「歴史の再演」を目撃させていく。会場は明治初期に開校し、1931年に改築された旧小学校。「過去からの声」を蘇らせるための格好の舞台装置となるに違いない。
★ 10.3 (日) アーティストトーク
言語:
映像プロジェクション:日本語 (日本語・英語字幕あり)
VR:日本語・英語
年齢制限・注意事項:
・VR体験のみ13歳未満は体験不可
・VR体験は事前予約が可能です (金・土・日曜日のみ、時間制限あり)。
・予約なしでご来場された場合でも、体験は可能です(整理券を発行します)。
・新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、予約可能日程が変更になる場合があります。あらかじめご了承ください。
・混雑時はVRの体験時間を制限させていただく可能性があります。
・10.16 (土)、17 (日) とも13:00-15:00、17:00-19:00の間は和田ながら×やんツー『擬娩』公演のため、VRをご覧いただけません。
ホー・ツーニェン Ho Tzu Nyen
シンガポール
シンガポール生まれ。さまざまな歴史的、哲学的テクストや素材との出会いから出発して映画や映像作品、インスタレーション、演劇的パフォーマンスを制作している。近年の作品では、トラ人間 (「一頭あるいは数頭のトラ」、2017)、三重スパイおよび裏切り者 (「名のない人」、 2015 と「神秘のライ・テク」、2018) といった変容する登場人物たちを扱っている。2011 年ヴェネツィア・ビエンナーレのシンガポール館での個展をはじめとして、多くの国際的な美術展や舞台芸術祭、映画祭に招待されている。
アーティスティック・ディレクション:ホー・ツーニェン
テクスト:ホー・ツーニェン、新井知行
声:笛田宇一郎 (笛田宇一郎演劇事務所) 、高山明 (Port B) 、神里雄大 (岡崎藝術座) 、大石将弘 (ままごと / ナイロン100℃ / スイッチ総研) 、筒井潤 (dracom) 、アギト、鶴舞裕午、村上晃一、矢吹
キュレーター:吉﨑和彦 (YCAM)
ドラマトゥルク / 翻訳:新井知行
アシスタント・ドラマトゥルク / 翻訳:辻井美穂
テクニカル・ディレクション:大脇理智 (YCAM)
プロダクション・マネージメント:クラレンス・ン (YCAM)
音響空間デザイン:Katsuhiro Chiba
VRデバイスシステム / 2Dアニメーション制作:中上淳二 (YCAM)
VRシステム構築:堂園翔矢 (Qosmo)、中嶋亮介 (Qosmo)
3Dモデリング:鳥谷部正輝
CGエフェクト制作:神田竜
キャラクターデザイン:杉本拓也
録音:中村公輔
グラフィックデザイン:鈴木哲生
キュレーション補佐:レオナルド・バルトロメウス (YCAM)
制作サポート:ステファニー・ゴー (アートファクトリー) 、ヤップ・シオック・フィ (アートファクトリー)
アーティスト技術コンサルタント:アンディ・リム (アートファクトリー)
アーティスト・アシスタント:ヨハン・ヤミン
「Frequency of Tradition」キュレーター:キム・ヒュンジン (カディスト)
制作:山口情報芸術センター [YCAM]
共同制作:カディスト・アジア3ヵ年プログラム「Frequency of Tradition」、TPAM – 国際舞台芸術ミーティング in 横浜
主催:KYOTO EXPERIMENT
ニュイ・ブランシュ KYOTO 2021 参加プログラム