2021.9.17
演劇・パフォーマンス
演劇の魔術師が描く、人類のユートピアと終末
フランスを代表する演出家、ビジュアルアーティストであるフィリップ・ケーヌ。今回は、2018年初演の演劇作品『Crash Park: The Life of an Island』の上映及び、2016年初演のパフォーマンス作品『もぐらたち』をcontact Gonzoと協働し、KYOTO EXPERIMENTバージョンとして発表する。2作品に共通するテーマは人類の本質と幸福だ。『Crash Park』は、墜落した飛行機の乗客がたどり着いた島での漂流記。原始的な土地、島民との多幸感あふれる生活を通して、人類のユートピアやディストピアを描き出す。『もぐらたち』では、等身大の巨大モグラたちが地上の世界で、コミカルでアクロバットなパフォーマンスを展開!!より傲慢で言葉を発しないことを除けば、彼らの生態は人間そのもの。モグラと観客の間で生まれるコミュニケーションを通して、あらためて人間という存在を見つめ直す機会になることだろう。
「演劇の魔術師」とも称されるケーヌ作品の独特なユーモア、クリエイティブな舞台装置にも注目を。環境問題、現代社会への鋭い風刺を含みながら放たれる独創的な世界観を存分に味わってほしい。
10.16 (土) 16:00
10.17 (日) 16:00
上演時間☞
もぐらたち:30分
上映会「Crash Park: The Life of an Island」:90分
開場は開演の45分前。
フィリップ・ケーヌ Philippe Quesne
フランス
1970年生まれ。フランスのアーティスト、演出家、舞台美術家。パリでビジュアルアート、デザイン、舞台美術を学ぶ。2003年にVivarium Studioを画家、俳優、ダンサー、ミュージシャンが協力して演劇の革新に取り組むラボラトリーとして設立。ケーヌが開発・上演するパフォーマンスのドラマツルギーは、空間、セット、身体の強い相互関係に基づいている。舞台セットはしばしば、作業用スタジオや小宇宙を表す「ビバリウム」となる。彼の学際的なパフォーマンスは、数多くの国際フェスティバルで紹介されている。ケーヌは2014年より、パリ郊外にあるナンテール・アマンディエ劇場の共同ディレクターを務め、『The Night of the Moles』(2016)や『Crash Park: The Life of an Island』(2018) などを制作している。舞台作品のほか、公共空間やランドスケープのためのパフォーマンスやインターベンションを展開している。2019年より、プラハ・カドリエンナーレのフランス館のキュレーターを務める。
☞もぐらたち
演出:フィリップ・ケーヌ
共同演出:contact Gonzo
出演:松見拓也、三ヶ尻敬悟、塚原悠也(以上、contact Gonzo)、伊藤彩里(gallop)、長峯巧弥
衣裳:コリーヌ・プティピエール
舞台監督:大田和司(京都芸術大学舞台芸術研究センター)、大野淳一郎
照明デザイン・チーフ:葭田野浩介(RYU)
音響デザイン・チーフ:瀧口翔
音響スタッフ:中村晴香(京都芸術大学 舞台芸術学科4回生)
制作:川原美保、後藤孝典(以上、京都芸術大学 舞台芸術研究センター)
スペシャル・サンクス:あごうさとし、外間結香、森田諒
☞上映会「Crash Park: The Life of an Island」
構成・演出・舞台美術:フィリップ・ケーヌ
出演:イザベル・アンゴッティ、ジャン・シャルル・デュメイ、レオ・ゴバン、外間結香、セバスチャン・ジャコブ、トマ・スイール、テレーズ・ソング、ゲタン・ヴルチ
アシスタント:フランソワ・グザヴィエ・ルエ
アニマル衣裳:コリーヌ・プティピエール
オリジナルサウンドトラック:ピエール・デプラ
照明:トマ・レグル、ミカエル・ノディン
音響:サミュエル・ガットマン
舞台監督:マルク・シュヴィヨン
舞台技術:ヨアヒム・フォセット
衣裳:ポリーヌ・ヤクビャク
共作:カミーユ・ルイ
映像:セザール・ベイシエ
アシスタントカメラ:マルゴザータ・ラブシュク
舞台美術・装飾設置:アトリエ・ナンテール=アマンディエ(エロディ・ドーゲ、マリ・マレカ、イヴァン・アセル、ジェローム・クレティエン)
製作:ナンテール=アマンディエ劇場
共同製作:ブルターニュ国立劇場(レンヌ)、HAU劇場(ベルリン)、ミュンヘン・カンマ―シュピーレ、ONASSIS STEGI (アテネ)、エルメス財団
英語字幕作成:Nowy Teatr
助成:文化庁文化芸術新興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会
主催:京都芸術大学 舞台芸術研究センター、KYOTO EXPERIMENT
ポンピドゥー・センター・パートナーシッププログラム