2021.10.17
ダンス
想像上の他者と踊るワルツの行方
3歳から20歳までバレエを踊り、その後自らの身体のあり方を問い直してきたパフォーマーの松本奈々子、主にドラマトゥルクの役割を担う西本健吾が共同で演出を行う「チーム・チープロ」は、綿密なリサーチを積み重ね、“身体”を媒介に個人の記憶と集団の記憶を再構築するパフォーマンスユニット。KYOTO EXPERIMENT初の公募プロジェクトで選出され、2021年・2022年の2年間にわたり京都芸術センターで制作し、THEATRE E9 KYOTOにて上演する。
初年度の制作テーマは「ワルツ」。2020年の緊急事態宣言発令後に松本が始めた、想像上のものや人、風景と踊ることを試みる「イマジナリー・ワルツ」 プロジェクトを、京都バージョンとして展開するものである。日本で明治以降に踊られるようになったワルツは、男女が身体を接触させて踊ることから、その道徳的な問題が繰り返し指摘されてきた過去がある。ここを出発点に、当時とは別の意味で身体的接触が制限される現代において、触れ合うこと、手を取り合うことについて問いかけていく——。上演テクストは松本の個人史、京都で行うリサーチやインタビューを元に構成する予定。その朗読から浮かび上がる、「他者」と踊るワルツのかたち、そして2年をかけて孵化していく、テクストと身体の新しい関係性にも注目したい。
10.22 (金) 16:00 ★
10.23 (土) 14:00 / 19:00 ★
10.24 (日) 17:30
★ポスト・パフォーマンス・トーク
10.22 (金) 16:00終演後。
ゲスト:永井良和 (関西大学 社会学部教授)
10.23 (土) 19:00終演後。
ゲスト:岡田利規 (演劇作家 / 小説家 / チェルフィッチュ主宰)
上演時間☞60分
開場は開演の30分前。
言語:日本語 (日本語・英語字幕あり)
松本奈々子(まつもと・ななこ)、西本健吾(にしもと・けんご) /
チーム・チープロ
日本
松本奈々子と西本健吾によるパフォーマンス・ユニット。身体と身振りの批評性をテーマに活動を続けてきた。近年は、都市における具体的な場所や時間から一つのステップを見出し、そのステップが喚起する複数のコンテクストとパフォーマーの身体感覚や記憶の交差をあつかうダンス作品を制作している。主な作品に、『20世紀プロジェクト』(2017-2018)、『皇居ランニングマン』(2019-2020) など。
振付・構成:松本奈々子、西本健吾 / チーム・チープロ
出演:松本奈々子
映像デザイン:安倍大智
舞台監督:小林勇陽
照明:渡辺佳奈
音響:林実菜
制作:芝田江梨、福森美紗子 (THEATRE E9 KYOTO)
プロダクションマネージャー:北方こだち
テクニカルアドバイザー:吉本有輝子 (真昼)
リサーチアシスタント:芝田江梨
ファクトチェック:永井良和(関西大学 社会学部教授)
字幕翻訳:河合京花
宣伝美術:細谷修三
協力:飯塚大周(音楽家・音響家)、加藤政洋(立命館大学文学部)、菊地暁(京都大学人文科学研究所)、久保枝里紗、関口美央、関口里菜、永井良和、長岡真理子、中村公治(K−ダンスカンパニー)、松本みゆき、松本康之、宮脇有紀(ダンサー・振付家)、本橋仁(京都国立近代美術館)
製作:チーム・チープロ
共同製作:KYOTO EXPERIMENT
助成:文化庁文化芸術振興費補助金 (国際芸術交流支援事業) |独立行政法人日本芸術文化振興会、一般財団法人地域創造 [Intergenerational Thinking - 世代間の対話]
主催:KYOTO EXPERIMENT