演劇
アーザーデ・シャーミーリー
Voicelessness —声なき声

2070年から照射される現代は、「今」とどう重なり合うか
「未来の世代は、私たちの時代をどのように判断するのだろう?」
政治やテクノロジー、芸術に限らず、すべての分野において、常に投げかけられるべき問いのひとつだ。本作の随所にみられる現代社会へのまなざしも、その問いを根っこに持っている。
作品の舞台は2070年。表現の自由が抑圧されディストピアと化した世界。若い女性が50年前に失踪した祖父の真相を突き止めようと奮闘し、物語はドライブしていく。言論統制され、過去に起きた不都合な事実を事実として公言できない世界に、主人公が得られる真実とはなにか。
脚本・演出・出演をつとめるのは、イラン最大の都市テヘランを拠点に活動し、劇作家、パフォーマー、元ジャーナリストなど多様な顔を持つアーザーデ・シャーミーリー。自身の経験から生まれた本作は、過去の不当な状況がどのように女性を動かしていくか、また、書類や映像、音声などを通して彼女自身の物語がどのように再構築されていくかを観客に追体験させる。ある出来事について証拠がない場合、それはその出来事が起こらなかったことになるのか? もし、証拠が確認できれば、それはその出来事が起こったことになるのか? 現代を生きる「私たち」の物語としても見ることができる。
10.21(金)19:00★
10.22(土)17:00
10.23(日)17:00♡
★ポスト・パフォーマンス・トーク
♡託児あり
上演時間:55分
開場は開演の30分前
言語:ペルシア語(日本語・英語字幕あり)
15歳以上推奨。小学生以下入場不可。
前売:一般 3,000円
ユース(25歳以下)・学生 2,500円
高校生以下 1,000円
ペア 5,500円
*当日券は+500円(高校生以下は同額)
*自由席
アーザーデ・シャーミーリー Azade Shahmiri
テヘラン

シアターアーティスト、パフォーマンスメーカー。2009年にテヘラン大学演劇学科を卒業し、芸術学の博士号も取得。シャーミーリーの作品は、演劇、パフォーマンス、インスタレーションの形態を横断する。テキストと並んで、映画、ビデオ、音と視覚の素材のコラボレーションが彼女の創作の中心となっている。シャーミーリーの作品は、テヘラン、光州、ケーララ、ウィーン、チューリッヒ、バーゼル、エディンバラ、ブリュッセル、ベルリン、ジュネーブ、マンハイムなど、ヨーロッパとアジアの様々な劇場やフェスティバルで上演されている。
コンセプト・演出:アーザーデ・シャーミーリー
脚本:ソへイル・アミールシャリーフィー、アーザーデ・シャーミーリー
映像:ソへイル・アミールシャリーフィー
出演:シャーディー・キャラムルーディー、アーザーデ・シャーミーリー
照明デザイン、技術監督:サバー・キャスマーイー
作曲:アディーブ・ゴルバーニー
技術オペレーション:レイラー・アフマディー・アーバーデ
字幕翻訳:藤元優子
製作:アーザーデ・シャーミーリー
共同製作: クンステンフェスティバルデザール、チューリヒ・シアター・スペクタクル
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(国際芸術交流支援事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会
主催:KYOTO EXPERIMENT