2022.10.9
ダンス
相撲と月経をむすぶ
「NEO子宮系ムーブメント」とはいかに?
KYOTO EXPERIMENT初の公募プロジェクトで選出され、2年にわたりリサーチと制作に取り組んできた、松本奈々子と西本健吾によるパフォーマンス・ユニット「チーム・チープロ」。
2021年にリサーチを開始したふたりが最初に掲げたテーマは「ワルツ」だった。コロナ禍で「接触」が憚られるなか、京都に存在したとされるダンス芸妓の史実を起点に戦前京都と現代と接続し、想像上の他者とワルツを踊る作品を発表。続く2022年は「女性の⾝体性」と「触れること/触れられないこと」についてのリサーチを発展させ、「月経の再魔術化」をテーマとした作品を発表する。習俗と科学的な言説が交差しながら意味づけられてきた「月経」。本作では科学的な知識や理解を重視しつつも、それだけでは扱いきれない月経の不条理さとともに踊るための「儀式」が執り行われる。そこで導き出されるのは、股を開き、地面を踏みしめる「四股ダンス」!? 自ら「NEO 子宮系ムーブメント」と称するパフォーマンスは、四股という型を手がかりに社会の境界を軽妙に越境していく。
2年をかけて集められた膨大なリサーチを⾝体に取り込んだ松本と西本。ふたりが繰り出すダンスとテキストが、その絶妙な駆け引きによりぶつかり合い呼応する本作。レクチャー・パフォーマンスの新たな “土俵” が開かれるかも。
10.8(土)15:00★
10.9(日)13:00 / 16:00★
10.10(月・祝)15:00
★ポスト・パフォーマンス・トーク
上演時間:75分(予定)
開場は開演の30分前
言語:日本語(英語字幕あり)
チーム・チープロ
東京
松本奈々子と西本健吾によるパフォーマンス・ユニット。身体と身振りの批評性をテーマに活動を続けてきた。近年は、都市における具体的な場所や時間から一つのステップを見出し、そのステップが喚起する複数のコンテクストとパフォーマーの身体感覚や記憶の交差をあつかうダンス作品を制作している。主な作品に『20世紀プロジェクト』(2017-2018)、『皇居ランニングマン』(2019-2020) など。
前田耕平(まえだ・こうへい)
1991年和歌山生まれ。2017年京都市立芸術大学大学院 美術研究科絵画専攻構想設計修了。人や自然、物事との関係や距離に興味を向けて、自身の体験を手がかりに、映像やパフォーマンスなど様々なアプローチによる探求の旅を続けている。プロジェクトに南方熊楠の哲学思想を追った「まんだらぼ」や、愛の形を探る「Love Noise」などがある。近年の展覧会に「パンガシアノドン ギガス」京都市立芸術大学ギャラリー @KCUA(京都、2019)個展、「紀南アートウィーク2021」南方熊楠顕彰館(和歌山、2021)、「群馬青年ビエンナーレ2021」群馬県立近代美術館(群馬県、2021)などがある。現在、「高瀬川モニタリング部」部長として川の生態観察を進行中。
内田結花(うちだ・ゆか)
1987年生まれ、大阪出身在住。ストリートダンスを基に踊りをはじめる。2010年近畿大学文芸学部芸術学科舞台芸術専攻卒業。13年文化庁・NPO法人DANCE BOX主催「国内ダンス留学@神戸」第2期参加を機にダンサーとして、黒沢美香、紅玉、ジェコシオンポ、セレノグラフィカなどの様々な振付家・作家の作品に出演する。近年では、自作自演のソロ作品の発表に加えて、ダンサーの中根千枝との協働作品「暮らし」をシリーズ化し、屋内外問わず様々な環境で発表を続ける。「暮らし」シリーズのひとつ『移動する暮らし』は、2020年度KYOTO CHOREOGRAPHY AWARD 最終審査会に選出される。2021年「六甲ミーツ・アート 芸術散歩」出展。
振付・構成:松本奈々子、西本健吾/チーム・チープロ
出演:松本奈々子
振付コラボレーター・出演:内田結花、前田耕平
映像デザイン:安倍大智
舞台監督:小林勇陽
照明:渡辺佳奈
音響:林実菜
装飾衣装:鈴木和人(アイランズ)
制作:芝田江梨、奥山愛菜/木元太郎(THEATRE E9 KYOTO)
プロダクションマネージャー:北方こだち
テクニカルアドバイザー:吉本有輝子(真昼)
字幕翻訳:河合京花
宣伝美術:関あゆみ
協力:有楽町アートアーバニズムプログラムYAU、一般社団法人ベンチ、豊岡演劇祭2022、京都女子相撲クラブ、菊野大明神、伊藤彩里、加藤政洋(立命館大学文学部)、冬木花衣(時々戸籍が気になるkai)、村上潔(立命館大学生存学研究所客員研究員)、山中結衣(Link Dance Studio)、與田政則(竹野浜自治会会長)
製作:チーム・チープロ
共同製作:KYOTO EXPERIMENT
助成:一般財団法人地域創造[Intergenerational Thinking - 世代間の対話]
主催:KYOTO EXPERIMENT
KYOTO EXPERIMENTスタッフ
短期インターン:木下朋美、田中乃衣
2021年度セゾン文化財団 滞在アーティスト|令和3年度文化庁「アーティスト・イン・レジデンス活動支援を通じた国際文化交流促進事業」
アーツカウンシル東京 2021年度トライアル事業「未来の踊りのためのプログラム」参加作品