2023 10.7
トーク
ダンス
見えざる分断を問う、遊びに富んだ身体のムーブメント
バケツや水、石鹸の泡など日常の道具を使った、6人のパフォーマーによるダンス。個々の身体はアクロバティックに重なり合い、互いにしがみつきバランスをとる。その動作を、観客は協働や相互扶助、関係性のなかで生じるフラストレーションなどの表象としてとらえていく。
「Lavagem」は、ポルトガル語で「洗浄」を指し、また「マネーロンダリング」や「洗脳」を意味する表現にも用いられる言葉だ。国の歴史下で維持される性差別や人種差別、反社会的な力に追い詰められるアイデンティティ。またコロナ禍で世界的に顕著になった、エッセンシャルワークの従事者とその恩恵を受ける人々とのヒエラルキー。本作は「洗浄」の対象となるべきものとは何か?と、見えざる分断を問いかける。
自身の地域やルーツを掘り下げ、政治的・社会的なメッセージを独自の身体表現に転換させるアリス・リポル。リオデジャネイロのスラム街・ファヴェーラの若者たちと結成したグループ、Cia. RECの最新作であり、日本初となる舞台に注目してほしい。
10.6(金)19:00 ★
10.7(土)14:00 ◆♡
★ポスト・パフォーマンス・トーク
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♡託児あり ☞申込み (要事前申込。各公演7日前まで)
上演時間:60分
⚠️開演後は途中入場不可。12歳以上推奨。
前売:一般 3,500円
ユース(25歳以下)・学生 3,000円
高校生以下 1,000円
ペア 6,500円
*当日券は+500円(高校生以下は同額)
*自由席
アリス・リポル
Alice Ripoll
リオデジャネイロ
振付家。リオデジャネイロ生まれ・在住。当初は心理学を学んでいたが、身体の可能性に対する好奇心から、また動きについて探求したいという欲求から、後にダンスに重点を移した。リオデジャネイロで知られる振付・身体機能訓練センターである Escola Angel Vianna を卒業後、振付家として活動を始める。彼女の作品では、ダンサー達が自分の経験や内なる記憶を表現できるような場を提供するリサーチを通して、コンテンポラリーダンスとブラジルのアーバンダンスを融合させる。リポルは、REC と SUAVE という2つのコレクティブ を主宰。 Festival Panorama(リオデジャネイロ)をはじめとするブラジルのフェスティバルや、クンステン・フェスティバル・デザール、ポンピドゥー・センター、ウィーン芸術週間など世界各地のフェスティバルや劇場で作品を上演している。
Cia. REC
リオデジャネイロ
2009年に設立された Cia REC は、リオデジャネイロのファベーラ出身のアーティストによる力のあるグループである。彼らの作品は、ダンスとパフォーマンスの境界線上にあり、しばしばブラジルの政治的・社会的状況に疑問を投げかける。ディレクターのアリス・リポル、パフォーマーの Alan Ferreira、Tony Hewerton、Rômulo Galvão、Hiltinho Fantástico、Katiany Correia、Tamires Costa、Tuany Nascimentoからなるこのグループは、現在3つのコンテンポラリーダンス作品と、子ども向け作品1つ、パフォーマンス作品1つを携えてツアーを行っている。これらの作品は、Festival Panorama、Casa do Povo、Trisca、FIAC、Bienal SESC de dança、ポンピドゥー・センター、クンステン・フェスティバル・デザール、 Festival Dias da Dança、ウィーン芸術週間など世界各地のフェスティバルや劇場で上演されてきた。