パフォーマンス
山内祥太&マキ・ウエダ
汗と油のチーズのように酸っぱいジュース
愛する“匂い”と身体が交じり合うとき
ステージ上には、ガラス製の蒸留器と大型水槽が細いチューブによって繋ぎ合わされた舞台装置がある。これは人間の体臭を抽出するための蒸留装置だ。
登場人物は蒸留機を使って、観客から集めた体臭を香水へと作り変え、それを水槽の中で様々な香料と混ぜ合わせることで”匂いのジュース”を作り上げる。そして、この匂いのジュースに身体を浸し、匂いと戯れ、愛する匂いそのものになろうと試みる——。劇場に立ち込める、えも言われぬ匂い。作品の進行と共に、劇場に漂う匂いは徐々に変化してゆく。最後には、一体どんな匂いが劇場を覆っているのだろうか。
デジタル技術と身体表現を掛け合わせる次世代メディアアーティスト、山内祥太の新作は自身初の舞台作品だ。2021年の作品《舞姫》で、人間と仮想空間上のゴリラとの擬似的なセックスを表現し、人がもつ動物的な感覚としての触覚を模索した山内。その興味は、感情や記憶と結びつく“匂い”に派生し、嗅覚アーティストであるマキ・ウエダとの協働で本作へと結実する。
観客から集められた人間の匂いと、愛する匂いのエピソードが共鳴することで、匂いの楽園が誕生する。その光景は観客に人間の理性と動物性とが、嗅覚を通して複雑に混在する瞬間を見せてくれるだろう。
【山内祥太とマキ・ウエダからのメッセージ】
本公演は上演作品であると共に、鑑賞者の方々とともに作りあげる、匂いの実験の場でもあります。鑑賞者の方は作品を堪能するだけでなく、作品の一部となることも可能です。(もっと深く能動的に関わることができます。)
劇中で”⼈間の匂いの⾹⽔”を作るために、鑑賞者の中でご希望の方から、匂いの採取をします。 参加希望の⽅には、”匂いの採取キット”を郵送またはミーティングポイント 四条烏丸で受け取りができるようにいたします。 そのキットの中には詳しい説明が書かれた⼿紙も同封されています。 公演当⽇に持ってきていただくその匂いが、作品中で〇〇されることで、”⼈間の匂いの⾹⽔制作”の実験にご参加いただくことになります♡
キットの数に限りがありますので、希望を検討されている⽅は早めのチケット購⼊をお願いします。
皆様の積極的な参加をこころよりお待ちしております♡
10.7(土)18:00
10.8(日)13:00 / 18:00
10.9(月)15:00 ★
★ポスト・パフォーマンス・トーク
上演時間:60-90分(予定)
言語:日本語(英語字幕あり)
⚠️上演中、演出の一部として会場内に匂いを発生させます。予めご了承ください。
※この作品は、ご希望の方を対象として作品の一部にご参加いただけます。
KYOTO EXPERIMENT オンラインチケットからご購入の方は、購入時にご登録いただいたメールアドレス宛に、後日、詳細のお知らせと参加希望の有無をお伺いします。
各プレイガイドからご購入の方は、購入の際のウェブサイトやチケットの券面に記載しているお知らせ文をご確認ください。
山内祥太
神奈川
1992年岐阜県生まれ、神奈川県在住。インターネットが普及した1995年以降のリアリティと共に育った世代として、自己と世界の関係性や、自分の認識する世界と現実の間にある裂け目といったものを、さまざまな方法で明らかにしようと試みてきた。映像、彫刻、インスタレーション、パフォーマンスなど表現メディアは多様で、クレイアニメーション、クロマキー、3DCG、3D印刷、VR、モーションキャプチャなどの技術も自由自在に用いる。テクノロジーによる新しさの追求だけではなく、身体性の生々しさや人間らしい感情、矛盾する気持ちや状況といった複雑さを表現しようとしていることも、作品の特徴とされる。 ☞ 山内祥太ウェブサイト
マキ・ウエダ
石垣島
嗅覚アーティスト。1974 年、東京生まれ。2000 年よりオランダ在住。現在は、石垣島に拠点を置き、アトリエ・マキ・ウエダを構える。慶應義塾大学環境情報学部にて、藤幡正樹氏に師事し、メディア・アートを学ぶ。2000 年文化庁派遣若手芸術家として、2007 年ポーラ財団派遣若手芸術家として、オランダ、ベルギーに滞在。2009 年よりオランダ王立美術学校&音楽院の学部間学科Art Science や、ロッテルダム美大ウィレム・デ・コーニングアカデミー、岐阜県立情報科学芸術大学院大学にて教鞭をとる。世界的な嗅覚アートの殿堂、アート・アンド・オルファクション・アワード サダキチ・カテゴリーに現在、5 年連続ノミネートされており、2022 年には最優秀賞を受賞している。 ☞ マキ・ウエダウェブサイト ☞ アトリエ・マキ・ウエダ
構成・演出:山内祥太、マキ・ウエダ
出演:小倉笑、藤田彩佳、三好彼流
振付アドバイス:捩子ぴじん
音楽:小松千倫
“匂いが好きの歌” “臭いの歌” 作詞:山内祥太
“匂いが好きの歌” ”臭いの歌” 作曲:小倉笑
衣装協力:ENFÖLD、Kurage
舞台監督 :北方こだち
照明:渡辺佳奈
音響:林実菜
映像システム:横田宇雄
字幕翻訳:hanare x Social Kitchen Translation
制作:武田侑子、
奥山愛菜/木元太郎(THEATRE E9 KYOTO)
短期インターン:角岡玲緒、森雅稀、山本翔太
製作:山内祥太
共同製作:KYOTO EXPERIMENT
特別協力:田中利孝
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援
事業(国際芸術交流支援))|独立行政法人日本芸術文化振
興会
主催:KYOTO EXPERIMENT