2024.10.10
パフォーマンス
舞台芸術とビジュアルアートを横断し、多様なメディアを駆使するチェン・ティエンジュオと、国際的な活躍も目覚ましいダンサー、振付家のシコ・スティヤント。リサーチで訪れたラマレラ村で、ふたりは強いインスピレーションを受けた。
インドネシアのレンバタ島に位置するラマレラ村では、現在でも伝統的な漁法で捕鯨が営まれている。海の恵みを祖先からの贈り物であると考えている村の人々にとって、捕鯨は単に食料を得る術というだけではない。漁期には手厚い儀式がさまざまに行われることからもわかるように、鯨は彼らの信仰、社会、文化と深く結びつき、共生してきた。しかし、容赦なく押し寄せる近代化の波が、その伝統の存続を危うくしている。
『オーシャン・ケージ』の観客は、映像、オブジェクト、音楽に満たされた空間に足を踏み入れる。固定された客席はない。スティヤントの踊りを間近に見ているうちに、伝統と現代がマッシュアップされた儀式を構成する一員となっていく。わたしたちの祈りに応えて、鯨は姿をあらわすだろうか。
10.19(土)16:00 ◆♡
10.20(日)16:00
◆感想シェアカフェ
♡託児あり (要事前申込 / 各公演7日前まで)
上演時間:100分
⚠️人により音が大きいと感じる場合があります。客席のご用意はありません。
前売:一般 4,000円
ユース(25歳以下)・学生 3,000円
高校生以下 1,000円
ペア 7,500円(前売のみ)
*当日券は前売と同額
*入場券
チェン・ティエンジュオ
Tianzhuo Chen
ベルリン(ドイツ)・北京(中国)
1985年中国、北京生まれ。2022年8月よりベルリンを拠点に活動。ロンドンのセントラル・セント・マーチンズでグラフィックデザインの学位、チェルシー・カレッジ・オブ・アートでファインアートの修士号を取得。チェンの作品は、伝統と現代性、ハイカルチャーとサブカルチャーを組み合わせ、美術、舞台芸術、ライブアート、音楽、映像といった分野の間を自在に行き来する。自身のレーベル Asian Dope Boys ではクラブシリーズを主催。チェンのオブジェクトやパフォーマンス、映像作品は、カラフルでグロテスク、キッチュなイメージを用いてアジアの心霊主義やLGBTIQ+、イコノグラフィー、舞踏、ヴォーギングやクラブカルチャーについて直接的に言及する。チェンの作品は、台本に沿ったストーリーや思考、政治的声明と、現代のクラブ文化やカウンターカルチャーに関わるセルフ・エンパワメントの儀礼化された出来事とを織り交ぜる。KYOTO EXPERIMENT 2021 AUTUMNではインスタレーション作品『牧羊人』を発表。最近の舞台作品に、『An Atypical Brain Damage』(steirischer herbst、グラーツ、2018/他)『Ishvara』(ウィーン芸術週間、2017/ Theater der Welt Hamburg、2017/他)がある。最近の個展には、「The Dust」(Dark Mofo、ホバート、タスマニア、2021/トランスメディアーレ、ベルリン、2022)、「Illuminated Spirits」(TANK、上海、2023)がある。
シコ・スティヤント
Siko Setyanto
ジャカルタ(インドネシア)
インドネシア、ジャカルタ出身のダンサー・振付家。9歳のときにインドネシア、ソロのカンパニー Sanggar Maniratari で Wied Sendjayani のもとで学び始める。スティヤントが育ったインドネシア文化の多様性や、幼少期に学んだジャズとバレエの経験は、彼のダンスや振付語彙に大きな影響を与え、強力な基盤となった。コンテンポラリーダンスについての情報交換ができるスペースや、インドネシアのダンサーたちのネットワーク、ダンサーのための訓練センター、そして若手振付家を支援する方法の創出を目的として、DRKR Kolektif を設立。2020年には、共同でDansity Dance Company を設立。現在は、韓国ソウルのEun Me Ahn Company でダンサー/振付家として活動するほか、Gabber Modus Operandiとも定期的に活動している。2020年から2023年まで、Jakarta Arts Council Dance Committee のメンバーを務めた。
演出:チェン・ティエンジュオ
振付・出演:シコ・スティヤント
ライブ音楽:カダパッド、ノヴァ・ルース
衣装:チェンティン・ヨー
メイク:ウナ・リョー
テキスタイルデザイン:ディアン・エスノー
照明デザイン(京都):谷田明彦
音響デザイン:マルティン・オルティス
技術監督:フランシスカ・マーケス
技術製作:ポール・メイド
制作アシスタント:ディアン・エスノー
企画・制作:partner in crime
製作:partner in crime、チェン・ティエンジュオ
共同製作:KYOTO EXPERIMENT、HAU Hebbel am Ufer劇場、Arsenic、カンプナーゲル、タンツハウスNRW
協力:BENTEN 2024 Art Night Kabuki-cho
助成:Capital Culture Fund Berlin
京都公演助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(国際芸術交流))|独立行政法人日本芸術文化振興会
主催:KYOTO EXPERIMENT