2024.10.4
パフォーマンス
「戯曲とは何か?」をテーマに掲げるAAF戯曲賞。第20回の大賞を受賞した羽鳥ヨダ嘉郎による『リンチ(戯曲)』は、「あなたにみられている必要はない。耳の頭の上が平面につく。」という謎めいたト書きから始まり、主体や意味をすぐにはつかみとれない台詞が続く。上演への安易な想像をはねのけ、読者をはぐらかしていくこの問題作に、ニューヨークで長く活動し二度のベッシー賞受賞経験を持つ振付家・演出家の余越保子が挑んだ。2022年に高い評価を得た愛知県芸術劇場での初演を経て、今回はいよいよ関西で初上演となる。
余越の上演では、戯曲の演劇的な再現は目指されない。極めてダンス的なアプローチだ。羽鳥が戯曲に埋め込んだ日本の近現代史への鋭い眼差しに応じるように、余越自身も含む出演者のプライベートな経験が引用され、近代国家という制度が逃れがたくそなえる支配 / 被支配の構造が身体をもって明らかにされる。そしてダンサーたちは戯曲の言葉との緊張関係そのものを踊る。ここで問い直されているのは、戯曲か? 近代か? それとも、ダンス?
愛知県芸術劇場のウェブサイトでは、戯曲を読むことができます。
☞ 戯曲はこちらから
10.25 (金) 16:30 ★
10.26 (土) 16:30
10.27 (日) 15:30 ◆♡
★ポスト・パフォーマンス・トーク
◆感想シェアカフェ
♡託児あり (要事前申込 / 各公演7日前まで)
上演時間: 100分
言語: 日本語 (英語字幕あり)
⚠️未就学児入場不可。
余越保子
Yasuko Yokoshi
京都(日本)
振付・演出家、映像作家。広島県出身。1996年より2015年までニューヨーク、東京、アムステルダムを拠点に数々のダンスパフォーマンス、映像作品を手がける。2015年より活動の拠点を京都に移す。 ジョン・サイモン・グッゲンハイム・メモリアル・ フェロー、Foundation for Contemporary Arts Award、ベッシー賞最優秀作品賞を2年連続受賞。ニューヨーク市芸術家フェロー(振付部門)、クリエイティブ・キャピタル授与者。2011-2013年のNew York Live Arts(NYLA)の初代レジデンスアーティストとして『BELL』を制作上演。 文筆活動では、1990年に森鴎外記念事業「北九州市自分史文学賞」にて大賞を受賞、学習研究社より『一生に一度だけの』が出版された。自主映画『Hangman Takuzo』(首くくり栲象、黒沢美香、川村浪子主演) は、神戸映画資料館、イメージフォーラム、mhproject (NY)、横浜BankARTにて上映。
戯曲:羽鳥ヨダ嘉郎
演出・振付・出演:余越保子
振付コラボレーター・出演:垣尾優、アラン・シナンジャ、小松菜々子
舞台監督:夏目雅也
照明:三浦あさ子
映像:嶋田好孝
音響:西川文章
衣裳:岩崎晶子
プロデューサー:山本麦子
ʻ歴史の授業’監修:ニシサトシ
映像関係協力:トムス・エンタテインメント「あしたのジョー」©高森朝雄・ちばてつや/TMS、骨董通り法律事務所
美術提供:新井海緒、五島智子、新谷茂、出川晋、国谷隆志
コンセプター(初演):粟津一郎
クリエーション協力:右田聡一郎、柴田聡子、久富健太郎、小沢葉月、福岡想
制作協力:NPO法人DANCE BOX
協力:京都芸術センター制作支援事業(2022年度)、平野暁人、萩原雄太、谷竜一
英語字幕翻訳:エグリントンみか、アンドリュー・エグリントン
企画製作:愛知県芸術劇場(愛知県文化振興事業団)
初演:愛知県芸術劇場 第20回AAF戯曲賞受賞記念公演
協賛:p-a-c目黒
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(国際芸術交流))|独立行政法人日本芸術文化振興会
主催:KYOTO EXPERIMENT