上映会/レクチャー
アートとポリティクス<1>
沖縄、アートとアクティビズムのあいだで
2022年は沖縄が日本に「復帰」して50年の節目の年である。歴史的で政治的なアートが無言のまま沖縄に求められているような現状にあって、映画作家・福地リコは制作とアクティビズムへの関わりの双⽅で特異な実践を続けてきた。その作品上映とトークを通じて、政治とアートの関係、アートに可能な別種の政治性への問いを開く。上映作品は、近未来の沖縄を舞台に、米国人や富裕層が暮らす安全な区域「ベース」と、その他の荒廃した区域に分断されている中、ベースから外に出て走りまわる三人の若者を描く『BOUNDARIES』(2020)と、「まなざされる沖縄」ではなく「まなざす沖縄、移動する沖縄」を切り取る『Childhood’s end』(2022)。
ゲスト:福地リコ(映画監督/ライター)
聞き手:林立騎(那覇文化芸術劇場なはーと)、KYOTO EXPERIMENT共同ディレクター
10.17(月)18:00-20:30
福地リコ(ふくち・りこ)
映画監督、ライター。1993年沖縄県恩納村出身。東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻修了。沖縄を拠点とし、現在は映像作家・ライターとして活動。「沖縄戦記録1フィートフィルム運動の会」元会長、福地曠昭を祖父に持つ。
初監督作品『クリア』(2016)タイディープサウス映画祭及び沖縄県立美術館にて上映。短編映画『BOUNDARIES』(2021)大阪国際アジアン映画祭にて上映。過去の沖縄人が撮影した、個人記録フィルムをモンタージュした短編映画『Childhood’s end』(2022)は那覇文化芸術劇場なはーとにて上映。
林立騎(はやし・たつき)
翻訳者、演劇研究者。現在、那覇文化芸術劇場なはーと企画制作グループ長。2005年より高山明の演劇ユニットPort Bに、2014年より相馬千秋のNPO法人芸術公社に参加し、理論と実践に携わる。東京芸術大学特任講師(2014-17)、沖縄県文化振興会チーフプログラムオフィサー(2017-19)、ドイツ・フランクフルト市の公立劇場キュンストラーハウス・ムーゾントゥルム企画学芸員(2019-21)を経て、2022年より現職。翻訳書にノーベル文学賞作家エルフリーデ・イェリネクが東日本大震災と福島の原発事故をモチーフに書いた『光のない。[三部作]』と演劇学者ハンス=ティース・レーマンの論文集『ポストドラマ演劇はいかに政治的か?』(いずれも白水社)がある。
企画:那覇文化芸術劇場なはーと、KYOTO EXPERIMENT