トーク
アートとポリティクス<2>
イメージの争奪戦―2020年代のタイー
近代を振り返ると、タイという国の国民統合においては多くの「イメージ」が用いられてきた。国王を〈慈父〉とみなし国民を〈子〉とみなす、温情的=強権的な親子関係。国家の三原則を示す三色旗。テレビ、街中、映画館に氾濫する王族たちの御真影や軍人首相の肖像。2020 年から続く、若者たちを中心とした民主化運動の周辺では、これらのイメージに付与されていた意味を脱構築し、再利用し、タイ社会に新たな批評の空間を生み出そうとする動きが見られる。タイ文学研究者で、パフォーミングアーツの分野までさまざまなタイのアーティストとの親交も深い福冨渉氏をゲストに迎え、文学、アート、舞台芸術などの分野の作品から、この新しい流れを検討する。
ゲスト:福冨渉(タイ文学研究者、タイ語翻訳・通訳者)
聞き手:森山直人(演劇批評家)
10.22(土)11:00-13:00
福冨渉 (ふくとみ・しょう)
1986年東京生まれ。タイ文学研究者、タイ語翻訳・通訳者。著書に『タイ現代文学覚書』(風響社)など、訳書にプラープダー・ユン『新しい目の旅立ち』(ゲンロン)、ウティット・ヘーマムーン『プラータナー:憑依のポートレート』(河出書房新社)など。 https://www.shofukutomi.info/ https://twitter.com/sh0f/
企画協力:森山直人