トーク
写真家 志賀理江子トーク
春秋座での公演に先立ち、今回のために2年以上をかけて東北地方での映像制作を進めてきた写真家の志賀理江子が、その創作プロセスを語るトークイベント。志賀にとって舞台公演における本格的な映像制作は今回が初となる。ミュージシャンとのコラボレーションを控えて、東日本大震災後の 11 年の復興の歩みの中で試行錯誤されたさまざまな制作のコンセプトについて聞く。その聞き手を務めるのは、京都芸術大学教授で批評家・作家の竹内万里子。上演に先駆けて、志賀の映像世界をまずはトークで体験できる絶好の機会となる。
ゲスト:志賀理江子(写真家)
聞き手:竹内万里子(批評家・作家)
10.5(水)17:00-18:30
志賀理江子(しが・りえこ)
写真家。1980年愛知県生まれ。2008年宮城県へ移住。2004年ロンドン芸術大学チェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン卒業。自らの写真行為の始まりを、「近代の果てのような時代に整備された安全・清潔・便利な住環境の中で育った私と、シャッターボタンを押すだけで目の前の現実を写し、そのイメージを手にできてしまうカメラ機器の親和性は、その暴力性において極めて高かった」とし、人間社会と自然の関わり、死への想像から生を思考すること、東日本大震災後は、国や巨大資本が推進した「復興計画」で抑圧され続ける人間の心身の狂いの内実を追い求めるような制作を続ける。近年は宮城県の制作の場「Studio Parlor」をオープンスタジオとして定期的に開き、ワークショップ、トークなどをアートコレクティブ「PUMPQUAKES(パンプクエイクス)」のメンバー協働で開催している。主な個展に「ヒューマン・スプリング」(東京都写真美術館、2019)、「Off the Wall」(サンフランシスコ近代美術館、2021)、「つまづきの庭」(旧観慶丸商店・石巻、2022)がある。2021年、Tokyo Contemporary Art Award(TCAA)2021-2023を受賞。
竹内万里子(たけうち・まりこ)
批評家・作家。2008年フルブライト奨学金を受け渡米。国内外で幅広い執筆活動とと共に「パリフォト」日本特集(2008年)、「ドバイフォトエキシビジョン」日本部門(2016年)など数多くの展覧会の企画を行う。単著に『沈黙とイメージ 写真をめぐるエッセイ』(赤々舎 2018)、訳書にジョナサン・トーゴヴニク『あれから―ルワンダ ジェノサイドから生まれて』(赤々舎、2020)など。現在、京都芸術大学美術工芸学科教授、学科長。
KPACレクチャー・ワークショップシリーズ
主催:京都芸術大学舞台芸術研究センター、KYOTO EXPERIMENT
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)独立行政法人日本芸術文化振興会