トーク
ことばの混交の果てに──『クレオール主義』30年
今福龍太著『クレオール主義』刊行から30年余。異なる言語や文化形態が移動・交差・混交するなかで、ハイブリッドな価値観や表現が社会に与えるインパクトについて描いた先駆的な書物である。一方でこの30年、画一化された情報が共有される速度は加速し、その真偽が政治や社会状況に多大な影響を与える時代に私たちは生きている。「世界の政治社会の趨勢は反—混合、反—混血へと逆行している」とする著者の現在の視座に立ち、『クレオール主義』から30年後の現代社会についての新たな見通しを映像や音を交えて縦横に語るトークイベント。
ゲスト:今福龍太(文化人類学者・批評家)
10.14(土)15:30-17:00
今福龍太(いまふく・りゅうた)
文化人類学者・批評家。1955年東京に生まれ湘南の海辺で育つ。1980年代初頭からメキシコ、カリブ海、アメリカ南西部、ブラジルなどに滞在し調査研究に従事。その後、国内外の大学で教鞭をとりつつ、2002年より奄美・沖縄・ 台湾を結ぶ群島に遊動的な学び舎を求めて〈奄美自由大学〉を創設し主宰。著書に『ヘンリー・ソロー 野生の学舎』(讀賣文学賞)、『宮沢賢治 デクノボーの叡知』(宮沢賢治賞・角川財団学芸賞)、『 ぼくの昆虫学の先生たちへ』など多数。主著『クレオール主義』、『群島-世界論』を含む新旧著作のコレクション《パルティータ》全5巻が2018年に完結。