トーク
メディアとしての染織ー歴史・テクノロジー・アート
1688年に京都・西陣で創業した細尾は、西陣織の歴史を受け継ぎ、きもの文化の伝統を守り続けるとともに、西陣織の技法を踏襲しつつ、独自の織物を制作している。土地の風土・歴史、時の社会・権力構造とも密接につながり発達してきた染織文化。細尾では、2019年にHOSOO GALLERYを開設。その歴史をふまえながら、現代のテクノロジーやアートなど多領域を横断した織物の研究開発や、HOSOO STUDIESと称したリサーチ活動について、細尾真孝とキュレーターの井高久美子が語る。
出演:細尾真孝(株式会社細尾 代表取締役社長)
井高久美子(インディペンデント・キュレーター)
10.21(土)11:00-12:30
細尾真孝(ほそお・まさたか)
1978年、元禄元年(1688年)より織物業を営む西陣織の老舗、細尾家に生まれる。大学卒業後、音楽活動、大手ジュエリーメーカーでの勤務を経て2008年、細尾に入社。西陣織の技術・素材をベースにしたテキスタイルを海外に向けて展開する事業を開始。建築家・ピーター・マリノ氏のディオール、シャネルの店舗に使用されるなど、世界のトップメゾンをクライアントに持ち、また、アーティストとのコラボレーションも積極的に行う。2021年著書「日本の美意識で世界初に挑む」をダイヤモンド社より上梓。
井高久美子(いだか・くみこ)
1982年生まれ。2012年より山口情報芸術センター[YCAM]で展覧会の企画を行う。2019年に独立、アート・アンド・テクノロジーの分野を中心に活動を展開。その一環として、西陣織の老舗「細尾」が2019年に設立したHOSOO GALLERYにて、メディアとして織物を捉え、領域横断的なリサーチ・プロジェクトや展覧会の企画に取り組む。近年のHOSOO GALLERYでの展覧会に「Texture from Textile」シリーズ(2022-2023)、「吉田真一郎|白の気配」(2021)、「Ambient Weaving −環境と織物」(2021)、「Quasicrystal」(2020)、「呼吸する地図たち」(2018–2020)などがある。
協力:HOSOO GALLERY