2021
10.22
-
10.24
ダンス
magazine
2021.10.17
KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2021 AUTUMN「Shows (上演プログラム)」の作品制作現場にお邪魔し、そのレポートを発信する本企画。今回は、9月22日(水)、23日(木)に行われたチーム・チープロ『京都イマジナリー・ワルツ』中間報告会にお邪魔しました。
KYOTO EXPERIMENT初の公募プロジェクトにて選出され、2年間にわたりTHEATRE E9 KYOTOで作品を上演するチーム・チープロ。この稽古場レポートでは、初年度となる今回の作品『京都イマジナリー・ワルツ』の制作過程をご紹介します。(文:中村友紀〈KYOTO EXPERIMENT インターン〉)
チーム・チープロは、パフォーマーの松本奈々子さん(写真右)と、主にドラマトゥルクの役割を担う西本健吾さん(写真左)が共同で演出を行う、パフォーマンス・ユニットです。「イマジナリー・ワルツ」プロジェクトは、緊急事態宣言が発令された後、松本さんが書き溜めていたテキスト「ひとり踊りのレッスン」から始まっています。
今回、京都で上演するテキストを製作するにあたり、夏の間に、京都の各地を歩いてリサーチが行われました。
YouTubeをとうとう卒業し、社交ダンス教室に通いはじめました💃 烏丸にあるK-ダンスカンパニーさんです。今回の作品で扱うステップ、ワルツを基礎から習っています。https://t.co/JugfaRb2H1 #京都イマジナリー・ワルツ pic.twitter.com/3KWjmm5Ixz
— チーム・チープロ/team chiipro (@team_chiipro_) September 6, 2021
チーム・チープロのTwitterアカウントでは、京都の社交ダンス教室に通っている様子も見られます。
本公演の作品制作メモは、チーム・チープロのウェブサイトにもアップされています。
さて本番の約1か月前に開催された中間報告会では、制作途中の『京都イマジナリー・ワルツ』が上演されました。
上演が始まると、松本さんがひとりでワルツを踊り始めました。舞台上にはほとんど道具がなく、膨大なリサーチを経たテキストが踊る身体と重なっていきます。松本さんの動きは非常に軽やかで、まるで会場の空間やその場の空気と踊っているように見えます。
ここで、共にワルツを踊る想像上の他者とは、コロナ禍において接触できなくなった文字通りの他の人間だけでなく、例えば空気のような、軽くても確実に存在する重さをもつものまで含まれていると、私は感じました。広義の他者とワルツを踊ることで、見えない多くのものたちへの想像力を喚起させられるようです。
近代化の過程で輸入された型としてのワルツと、ひとりで踊るワルツを対比して、「踊り」そのものについても考えさせられます。
リサーチの過程で実際に川と踊る様子が、トレーラーとして公開されています。
中間報告会の後にはフィードバックが行われました。このあと東京でも中間報告会が行われ、会場となるTHEATRE E9 KYOTOでもテクニカルチームとクリエーションを重ねて、本番を迎えます。
本番は10月22日(金)からです。上演期間中は、都市社会学・大衆文化史を研究されている関西大学の永井良和さんやチェルフィッチュ主宰の岡田利規さんによるトークも予定しています。
2年間という長期的な制作を通じた表現に挑戦するチーム・チープロ。その1年目となる本作を、ぜひご覧くださいませ!
―――――――――――――――――――――――――――
松本奈々子、西本健吾 / チーム・チープロ
京都イマジナリー・ワルツ
10.22 (金) 16:00 ★
10.23 (土) 14:00 / 19:00 ★
10.24 (日) 17:30
★ポスト・パフォーマンス・トーク
10.22 (金) 16:00終演後。
ゲスト:永井良和 (関西大学 社会学部教授)
10.23 (土) 19:00終演後。
ゲスト:岡田利規 (演劇作家 / 小説家 / チェルフィッチュ主宰)
上演時間☞60分 (予定)
開場は開演の30分前。
―――――――――――――――――――――――――――