10.21 (Wed) 18:00 ★
10.22 (Thu) 11:00
10.22 (Thu) 16:00 ★
★ ポスト・パフォーマンス・トーク
135分(予定)
*3演目上演/途中転換休憩あり
一般:¥3,500
ユース(25歳以下)・学生:¥3,000
高校生以下:¥1,000
ペア:¥6,500
当日券:前売料金+¥500(高校生以下は同額)
[舌湯 tong tang]
日本語・台湾語・中国語(日本語・英語字幕あり)
[THE EARTH]
日本語、ベラベラ語*(英語字幕あり)
* 独自の言語
[睡眠のパフォーマンス(実演)]
日本語(英語字幕あり)
次世代の注目キュレーターと
アーティストによる3作品を一堂に
「Echoes Now」は、KYOTO EXPERIMENTが期待する次代のキュレーターとアーティストをショーケース形式で紹介するパフォーマンス・プログラム。活動分野において異なる背景を持つ3名のキュレーターによるプログラムでは、注目すべき実験的な表現を展開するアーティストとその作品を紹介する。
3年目となる今回は、ロームシアター京都 ノースホールで上演。ブラックボックスならではの空間が、キュレーターやアーティストの発想をさらに刺激し、新たな挑戦を促す。川口と堤は、昨年キュレーションしたアーティストと再タッグでさらなる試みを行う。和田は、新たなアーティストを迎えプログラムを展開する。
川口万喜プログラム
小林 颯
『舌湯 tong tang』 [パフォーマンス]
ラジオ放送の先駆者で三極真空管の発明者であるリー・ド・フォレストはマス・ラジオを「見えない空気の帝国」と表現した。電気を帯びた空気の帝国は、たちまち世界に広がり、人々の意識を統合し、声を奪っていった。1920年代のことだった。
ところが戦後、帝国の力が及ばない電波が発生する。日本ではミニFM、台湾では地下ラジオだった。それは権力や資本主義と深く癒着したメディアを自分たちの手に取り戻す動きであり、とりわけ台湾では、個人が言葉を持っていることを示す行為であった。
かねてより、何者かになっていく過程で発せられる「移動する声」を追い求めていた小林 颯は、台湾の地下ラジオ運動に出会い、日本統治時代のラジオ放送を知り、ジェンダーの境界を越えていく同志文学へと行き着いた。この作品は、ファシズムの象徴から個人の連帯の支柱へと移り変わるラジオを用いて、ジェンダーや言語といった境界を越える移動者のアイデンティティの揺らぎを捉えようという実験である。
キュレーターコメント (川口万喜)
「あーあーあー 聞こえますか? 聞こえますか? あーあーあー」
人と話すことが怖いという小林は、装置を介して他者と会話する。繋がるかどうか不確かで不安定な電波を使い、目の前にいる他者や見えない他者と会話を試みる。時折、通じているかどうか確認しながらも、すぐに途切れてしまう微弱な電波を介して、声を発信し続ける。その声を言葉にしてスマホで送れば何文字だろうか。それでも小林は、電波を発する装置を手に、送信と受信を繰り返す。その集積の果てに何かがあるわけではなく、その集積の過程で、声と声が出会い、何かが混ざり合っていく状況を期待しているのだ。
キュレータープロフィール
アーティストプロフィール
堤 拓也プログラム
倉知朋之介
『THE EARTH』 [パフォーマンス]
コミカルで、時に間抜けで、悪趣味で、どこか内輪ノリな空気をまとった短編映像を数多く制作してきた倉知朋之介。はじめての演劇作品となった前作『SOFTBOYS〜だってまだまだ今来たばっか!〜』では、男性アイドルグループの一人が突如病に倒れ、そこから回復していくためのストーリーを「文字通り」に演出した。その後、これまで扱ってきた関心は維持しつつも、川の土手や、誰かの隣りでパフォーマンス作品を発表するようになる。本作ではその関心をさらに拡張し、ノースホール全体を用いた回遊型のパフォーマンス・インスタレーションに挑戦。これまで映像空間のなかで培ってきた方法論をそのまま劇場空間へ持ち込むことを試みる。
キュレーターコメント (堤 拓也)
Echoes Nowという枠組で倉知くんを選んだのはこれで二度目である。これまでの自分の仕事を振り返ってみると、同じアーティストと2年連続で協働することはあまりない。ではなぜまた選んだのか白状すると、前作『SOFTBOYS〜だってまだまだ今来たばっか!〜』への満足度はありつつも、なんだか消化不良のような感覚が残ったからだ。いつもこちらの提案に全面的に頷きつつも、実は何を考えているのかよくわからない倉知くんは、まだまだ変で実験的なパフォーマンスをつくってくれそうな気がしている。
キュレータープロフィール
堤 拓也
1987年生まれ、関西拠点。キュレーター、グラフィックデザイナー。2019年アダム・ミツキエヴィチ大学大学院カルチュラル・スタディーズ専攻修了。展示空間の構成だけに限らず、パフォーマンスを含む1回的な体験機会を生み出す一方で、アジアを中心とした非制度的な実践に関心がある。これまでの主なディレクション/キュレーション実績に、シェアミーティング2「つぎつぎに(あつまっては)なりゆくいきほひ」(滋賀、2025)、MEET YOUR ART FESTIVAL 2024「SSS: Super Spectrum Specification」(東京)、山下拓也個展「闇が抱える光:熊、ムンク、チーズバーガー、他」(台北、2023)、国際芸術祭「あいち2022」(愛知)など。山中suplex共同プログラムディレクター。ICA京都プログラム・ディレクター/京都芸術大学准教授。
アーティストプロフィール
和田ながらプログラム
泉 宗良 / うさぎの喘ギ
『睡眠のパフォーマンス(実演)』 [演劇]
日本は先進国の中でもっとも睡眠時間が短く、睡眠負債による生産性の低下は甚大な経済的損失すら招いている――この憂鬱な事実に、『睡眠のパフォーマンス(実演)』は、演劇ならではのアプローチで応答する。
泉宗良が作・演出をつとめるうさぎの喘ギは、「私は私」といったトートロジー(同語反復)で台詞が構成されている『いみいみ』や、なるべく早いゲームクリアにトライするRTA(リアルタイムアタック)を演劇上演に応用してシェイクスピアの戯曲を攻略する『演劇RTA ハムレット』など、ユニークかつ実験性に富んだ作品を発表してきた。今回は、2023年に初演された『睡眠のパフォーマンス(実演)』をブラッシュアップして上演する。
俳優が、万全の支度をし、観客の眼前で「質の高い眠り」を実演する。世界で最も眠らない、あるいは、眠れないこの国で。
キュレーターコメント (和田ながら)
うさぎの喘ギの作品を体験するたびに、演劇とは「時間」を試す形式である、と気づかされる。どこにいてもあらゆるアップデートが即時的に同期し、タイパを価値基準と見なす現代社会の時間感覚を、俳優の身体と演技が批評していくさまには思わずにやりと、そしてひやりとしてしまう。
ところで、睡眠を実演する俳優は果たして演技をしているのだろうか? タヌキ寝入りは、私たちが子どものころに最初に覚えた演技のひとつだ。今回のうさぎの喘ギは、演劇における「演技」もまた、試そうとしている。
キュレータープロフィール
和田ながら
京都造形芸術大学芸術学部映像・舞台芸術学科卒業、同大学大学院芸術研究科修士課程修了。2011年2月に自身のユニット「したため」を立ち上げ、京都を拠点に演出家として活動を始める。演技という行為に強い関心を持ち、テキストやモチーフを接写するように読み解いていくことで、作品ごとに固有の演技の文法の構築をめざしている。美術、写真、建築、音楽、彫刻、ダンスなど、異なる領域のアーティストとも演劇を媒介に対話し、協働作業による作品制作に積極的に取り組む。2018年より多角的アートスペース・UrBANGUILDブッキングスタッフとして俳優にフォーカスしたパフォーマンスシリーズ「3CASTS」を企画。2025-2026年度セゾン文化財団セゾン・フェローI。
アーティストプロフィール
泉 宗良 / うさぎの喘ギ
大阪(日本)
“劇作家・演出家。1996年大阪生まれ。大阪教育大学 教育学部を卒業。在学中にうさぎの喘ギを旗揚げ。以降殆どの作品で作・演出を担当する。
2022年よりウイングフィールドスタッフ。劇評企画や、安全な稽古場運営のためのワークショップ企画等を立ち上げ、後進の育成にも力を入れる。NPO法人大阪現代舞台芸術協会(愛称:DIVE)理事。西陽<ニシビ>プロジェクトメンバー。第23回AAF戯曲賞大賞受賞。
うさぎの喘ギ
2017年、作・演出の泉宗良と俳優・制作の中筋和調によって旗揚げ。以降、関西を中心に活動。「現代人の実感の喪失」をテーマに、実験的、前衛的でありながら、どこかノスタルジックな作品の創作・発表を行う。生活に潜む、「感じなかったことにした痛みや悲しみ」に着目した繊細なテキストと、観客に思考を促す挑発的な演出の掛け合わせによって生まれるユニークな観劇体験を特徴とする。2026年度ロームシアター京都×京都芸術センター U35創造支援プログラム‟KIPPU”採択。”
助成:クリエイター支援基金
