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批評家・イン・レジデンス@KYOTO EXPERIMENT 2024

 

駐日欧州連合(EU)代表部は、「KYOTO EXPERIMENT京都国際舞台芸術祭 2024」の会期(10月5日~27日)に合わせ、文化芸術の批評の今後の可能性を模索する「批評家・イン・レジデンス@KYOTO EXPERIMENT 2024」を開催する。本プログラムは、EU代表部が主催、ゲーテ・インスティトゥート東京が運営し、KYOTO EXPERIMENT、公益財団法人セゾン文化財団の協力の下で行われる。
100人を超えるEU加盟国の応募者の中から選ばれた8人の文化芸術の批評家を京都に招聘し、日本の批評家も交えて、対話型のレジデンスを開く。本レジデンスは、それぞれの専門知識や経験を共有し、アートや文化政策の環境を育む批評と、現代社会における文化とアートの役割について共に考察する場を目指している。シンポジウム、パネル・トーク、ワークショップ、フィードバック・セッションなど、KYOTO EXPERIMENT 2024の期間中、様々なイベントを開催する。また、本プログラムの協力機関であるセゾン文化財団が選出する、日本の批評家と、EU出身の批評家との対話や交流の場も開かれる。
日本では現在、文化批評や芸術批評に焦点を当てた国際的なレジデンスが行われていない現状を踏まえ、「批評家・イン・レジデンス@KYOTO EXPERIMENT 2024」は、批評の現在と今後を追求していく試みになる。
近年、特にSNSの勢いが増す中、批評や言論を取り巻く環境が著しい変化に直面している。これまで批評の中心的なプラットフォームとなっていた新聞や雑誌といった紙媒体が一部存続の危機にさらされる一方、デジタル空間の可能性を活かした表現活動が増えている。そのような中で、文化や芸術の批評がどのような状況におかれ、どのような可能性を開くことができるかを議論することは、とても重要であると言えるだろう。

参加批評家(EU)[アルファベット順]
ルカ・ドメニコ・アルトゥーゾ(イタリア)、ローラ・カペル(フランス)、アイステ・シヴィテ(リトアニア)、イリンカ=タマラ・トドルツ(ルーマニア)、フレダ・フィアラ(オーストリア)、タマシュ・ヤーサイ(ハンガリー)、マイケル・ラニガン(アイルランド)、サンタ・レメール(ラトビア)
参加批評家(日本):伊藤寧美、山﨑健太
日本側ファシリテーター:池田剛介、古後奈緒子

☞ クロージング・イベント「コーヒー&クリティーク」
「批評家・イン・レジデンス@KYOTO EXPERIMENT 2024」のクロージングイベントとして、参加する批評家とKYOTO EXPERIMENTの観客が交流できる場をつくることを試みます。批評家と会ってカジュアルに話をしてみませんか?
用意された台本に沿って行うものではなく、今年のKEXで体験したことや考えたことを気軽に話すことができるプラットフォームにすることを目的として実施します。
*会場で今年のKEXプログラムの感想や、上演作品に出会ったときに浮かんだ疑問など、批評家に尋ねてみたいことをお書きいただきます。
このオープン・トークが、どのようなトピックを導くのか・・・ぜひご参加ください!

日程:10月26日(土)11:00-13:00
会場:京都芸術センター ミーティングルーム2
定員:25名(先着順、予約不要) 料金:無料

👉 参加批評家のインタビューをKYOTO EXPERIMENT公式YouTubeチャンネルでご覧いただけます。
👉KEXラジオ番外編としてpodcastも配信中!
パート1(全編英語) スピーカー:ローラ・カペル、アイステ・シヴィテ、タマシュ・ヤーサイ、サンタ・レメール
パート2(全編日本語) スピーカー:伊藤寧美、山﨑健太
パート3(全編英語) スピーカー:ルカ・ドメニコ・アルトゥーゾ、イリンカ=タマラ・トドルツ、フレダ・フィアラ、マイケル・ラニガン

滞在期間:10月5日(土)-27日(日)

☞オープニング・シンポジウム「ジャーナリズムと批評の現在地」
日程:10月8日(火)19:00-21:30
会場:京都芸術センター フリースペース
登壇:津田大介、EUからのレジデント
定員:70名 *配信あり。オンサイト参加は要事前申込。詳細はこちら

☞ パネルトーク①
「変容するメディア/変容する批評(ソーシャルメディアとの関わり)」
日程:10月13日(日)11:00-13:00
会場:京都芸術センター 制作室6 定員:20名(先着順、予約不要)
登壇:アイステ・シヴィテ、マイケル・ラニガン、フレダ・フィアラ、山﨑健太

☞ パネルトーク②
「(複数の)分断の時代
(右傾化、ポリティカルコレクトネス、舞台をめぐる労働環境)」
日程:10月20日(日)11:00-13:00
会場:京都芸術センター ミーティングルーム2 定員:20名(先着順、予約不要)
登壇:ルカ・ドメニコ・アルトゥーゾ、伊藤寧美、イリンカ=タマラ・トドルツ、タマシュ・ヤーサイ

☞ パネルトーク③
「ローカルヒストリー、脱中心化(周縁性)」
日程:10月23日(水)18:30-20:30
会場:京都芸術センター ミーティングルーム2 定員:20名(先着順、予約不要)
登壇:ローラ・カペル、サンタ・レメール
ゲスト:余岱融

☞ クロージング・イベント「コーヒー&クリティーク」
日程:10月26日(土)11:00-13:00
会場:京都芸術センター ミーティングルーム2 *会場が変更になりました
定員:25名(先着順、予約不要) 料金:無料

*パネルトーク、クロージングは日英逐次通訳あり

ルカ・ドメニコ・アルトゥーゾ
Luca Domenico Artuso

イタリア/ベルギー

ルカ・ドメニコ・アルトゥーゾ<br>Luca Domenico Artuso

ベルギーのアントワープ大学で演劇とインターメディアを専門とする、イタリアの博士号研究者。研究対象は、フェミニストやクィアの視点による能の解釈を中心に、日本の現代パフォーマンスにまで及んでいる。2024年以降、舞台芸術批評が、ベルギーの演劇と現代パフォーマンスの専門誌『Etcetera』に掲載されている。また、2019年から2023年まで国際交流基金のローマ日本文化会館図書館で専門司書を務めた。2018年には、イタリアと日本の異文化交流の新拠点として、ヴェネチア大学で日本学を研究する学生団体「Gesshin」を設立。国際パフォーマンス研究学会(Psi: Performance Studies International)所属。

ローラ・カペル
Laura Cappelle

フランス

ローラ・カペル<br>Laura Cappelle
Photo: Jérôme Panconi

フランスのアートライター、社会学者、ダンス研究者。2010年から英フィナンシャル・タイムズでパリ在住ダンス批評家として執筆し、2017年から米ニューヨーク・タイムズにフランスの舞台芸術や文化特集について継続的に寄稿している。また、フランス国立ダンスセンターが発行するバイリンガル誌『CN D Magazine』の編集コンサルタントや、ヨーロッパの新進気鋭のダンス批評家のためのプログラムSpringback Academyのメンターを務める。2023年にソルボンヌ・ヌーヴェル大学(旧パリ第3大学)の准教授に就任。受賞した編書にフランス語によるダンス史入門書『Nouvelle Histoire de la danse en Occident』(スイユ出版社、2020年)、またその書籍をグラフィックノベルとして翻案した共著(同社、2024年)がある。『Créer des ballets au XXIe siècle』(CNRS Éditions、2024年)の著者であり、2022年よりthe CCN-Ballet de l'Opéra national du Rhinの客員研究員でもある。

フレダ・フィアラ
Freda Fiala

オーストリア

フレダ・フィアラ<br>Freda Fiala

舞台芸術研究者、キュレーター。オーストリア科学アカデミーのフェローであり、演劇・映画とメディア学、中国学をウィーン、ベルリン、香港、台北で学ぶ。東アジアのパフォーマンス文化と異文化関係に焦点を当てている。また、オーストリアのOK in Linzで開催されたパフォーマンスフェスティバル「The Non-fungible Body?」と、「HYBRID BODIES」をキュレーション。ウィーン美術アカデミー、ウィーン大学でパフォーマンス理論を教え、DISTANZ Verlag、PAJ / MIT Press、台北市立美術館、台北パフォーミングアーツセンター等から出版している。

タマシュ・ヤーサイ
Tamás Jászay

ハンガリー

タマシュ・ヤーサイ<br>Tamás Jászay
Photo: Vera Éder

2003年から演劇批評を執筆。「長年一つのスタイルや美学を選ばず、演劇に関連するもの全てを理解し、感じようとしていたが、年月が経つにつれ批評家としての立ち位置は単純かつ複雑なものになった」としている。2000年代のハンガリーのインディペンデント系演劇ブームを受け、インディペンデント系演劇集団に興味を持つ。一方で、「演劇史の専門家として、1970年代と1980年代の様式を試みるクリエーターとの対話は最後の機会になった」との認識も示している。また、キュレーターおよびフェスティバルのセレクターとして、革新的で実験的な試みの表現にも密接に関わってきた。レジデンスプログラムへの参加は、欧州とは全く異なる演劇文化に触れられる機会となると考えているという。 

マイケル・ラニガン
Michael Lanigan

アイルランド

マイケル・ラニガン<br>Michael Lanigan

『Dublin Inquirer』の文化芸術担当記者。ダブリンの視覚芸術と舞台芸術のシーンに焦点を当て、政府の政策がダブリン市の文化と伝統にどのような影響を与えているのかを調査している。現在、ダン・レアリー=ラスダウン市のLexicon Libraryにおけるアーティストへのインタビューシリーズ「Walk and Talk」をホストしている。また、執筆記事は、『Vice』、『The Guardian』、『The Irish Times』、『Tokyo Weekender』、『Metropolis』、『The Business Post』、『Huck』、『Totally Dublin』等の媒体に掲載されている。ダブリンとキルケニーの中間地点に在住。

サンタ・レメール
Santa Remere

ラトビア

サンタ・レメール<br>Santa Remere

New Theatre Institute of Latvia(NTIL)の新芸術監督であり、国際舞台芸術フェスティバル「Homo Novus」のキュレーターを務めている。早稲田大学、多摩美術大学でビジュアルコミュニケーションを学んだ背景を持つ。2011年から、ラトビアおよびバルト諸国の様々な出版物に、主に若年層の観客の文化、現代演劇、フェミニストのトピック等に焦点を当てた芸術批評を定期的に寄稿している。ラトビアのオンラインカルチャーマガジン『satori.lv』 の編集者の一人でもある。

アイステ・シヴィテ
Aistė Šivytė

リトアニア

アイステ・シヴィテ<br> Aistė Šivytė

リトアニアのヴィリニュスを拠点とする舞台芸術批評家。直近5年間、フリーランスとして活動し、演劇やダンス、現代サーカス、ストリートでの舞台パフォーマンスに関する批評とインタビューを70本以上執筆、様々なカルチャーマガジンや新聞、インターネットメディアに掲載されている。

イリンカ=タマラ・トドルツ
Ilinca-Tamara Todoruţ

ルーマニア

イリンカ=タマラ・トドルツ<br> Ilinca-Tamara Todoruţ

ルーマニアを拠点とする演劇評論家、学者、ドラマトゥルク、翻訳者。イェール演劇学校で博士号を取得し、現在はバベシュ・ボヨイ大学の演劇映画学部で教鞭を執る。執筆記事は、『Theatre』、『TDR: The Drama Review』、『Performance Research』、『Journal of Poverty』、『European Stages』、『Theater History Studies』などの専門誌に掲載されている。また、『The Routledge Companion to Dramaturgy』に寄稿し、著書に『Christoph Schlingensief’s Realist Theater』(Routledge、2022年)がある。Scena.roや TheTheatreTimes.com などの演劇媒体と定期的に協働しており、2023年の「International Online Theatre Festival (IOTF) 2023」の芸術監督も務めた。

伊藤寧美(いとう・なび)
Nabi Ito

日本

伊藤寧美(いとう・なび) <br>Nabi Ito

1988年、兵庫県出身。2014年、東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。2023年、バーミンガム大学大学院博士課程修了。2024年4月より大阪大学人文学研究科芸術学専攻演劇学コース講師。専門は現代英国演劇、特に戯曲分析を中心に研究を行う。現在は、戯曲とその上演におけるマイノリティの表象に注目し研究を進めている。批評家としては主に現代演劇、パフォーマンス作品を取り上げ、『紙背』、『シアターアーツ』などの媒体で劇評を発表している。

山﨑健太(やまざき・けんた)
Kenta Yamazaki

日本

山﨑健太(やまざき・けんた)<br>Kenta Yamazaki
Photo: Yamahata Takuya

1983年生まれ。批評家、ドラマトゥルク。演劇批評誌『紙背』編集長。WEBマガジンartscapeでショートレビューを連載。ほかに「現代日本演劇のSF的諸相」(『S-Fマガジン』、早川書房、2014年2月~2017年2月)など。2019年からは演出家・俳優の橋本清とともにy/nとして舞台作品を発表。これまでの作品に『カミングアウトレッスン』(2020)、『フロム高円寺、愛知、ブラジル』(2023)などがある。

池田剛介(いけだ・こうすけ)

ファシリテーター

池田剛介(いけだ・こうすけ)

美術作家、作品分析。1980年福岡県生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科修了。人間をとりまく物質やエネルギーの存在への関心を軸に、絵画やインスタレーションなど表現形式を横断しながら制作を行う。また並行して、批評誌やウェブ媒体での執筆活動に取り組んでいる。2019年より京都にてアートスペース「浄土複合」をディレクション。著書に『失われたモノを求めて――不確かさの時代と芸術』(夕書房、2019年)。

古後奈緒子(こご・なおこ)

ファシリテーター

古後奈緒子(こご・なおこ)

1990年代から関西とドイツ文化圏を行き来して、ダンス、パフォーマンスの通訳翻訳、記録、批評などを行ってきた。現在は大阪大学人文学研究科アート・メディア論コースで、100年以上前の舞台舞踊を、電気技術、複製技術、労働、ジェンダーなどの観点から研究している。また、メディア環境と身体の関係に関心を寄せながら、現代の舞台芸術、とりわけ非西洋圏のダンサーが様々なメディアで舞踊史/物語を書き換える試みにも注目している。

主催:駐日欧州連合代表部
協力:KYOTO EXPERIMENT、公益財団法人セゾン文化財団
レジデンス協力:京都芸術センター
運営:ゲーテ・インスティトゥート東京

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