2022.9.24
パフォーマンス
美の歴史を高らかに更新する「アクション・バレエ」
ここ数年、ヨーロッパの舞台芸術シーンでもっとも話題を呼んだ作品は?と聞かれたら、まず挙がるのが本作『TANZ』だろう。そんな数々の賞を受賞してきた衝撃作がついにアジア初演となる。タイトルの『TANZ(タンツ)』はドイツ語でダンスの意味。舞台は、『春の祭典』を世界ではじめて裸で踊った(1972年、J. ノイマイヤー振付)ベアトリス・シェーンヘルのバレエ教室。本作は、固定化されたジェンダーの象徴としての伝統的なバレエの世界を題材としながら、その“伝統”をアクロバティックな演技で軽々と飛び越えていく。10人の女性たち演じるバレリーナは、血みどろのバレエの特訓と心身の鍛錬を重ね、ついには空中浮遊という超能力的なパワー(ワイヤーパフォーマンス)さえも習得してしまうのだ。
完璧な美しさを追求してきたダンスの歴史――そこにリミックスされるコメディ、サーカス、ポルノといった過激なイメージ。美という名のもとに眼差されてきた女性の身体をあっけなく逆手にとり、芸術表現における女性の身体史に新たな一石を投じる。いまヨーロッパで誰よりも注目を集めるアーティスト、フロレンティナ・ホルツィンガーと、さまざまな経歴を持つ20〜80代の女性ダンサーたちがつくり出す、センセーショナルで痛快な問題作。これを見逃す手は今のところない。
10.1(土)18:30 ☆★
10.2(日)18:30 ☆★♡
☆ロビーにて開演30分前よりプレトークあり
★ポスト・パフォーマンス・トーク
♡託児あり
上演時間:120分
開場は開演の30分前
言語:英語(日本語字幕あり)
18歳未満、高校生入場不可。人により生理的に不快に感じる可能性のある過激な表現(血液、他)が多数含まれます。予めご了承ください。
フロレンティナ・ホルツィンガー Florentina Holzinger
ウィーン、アムステルダム、ベルリン
ダンサー・振付家。1986年オーストリア、ウィーン生まれ。ウィーンとアムステルダムを拠点に活動。オランダ・アムステルダムの芸術大学、スクール・オブ・ニューダンス・ディヴェロップメントにて振付を学んだ。ハイ・カルチャーとエンターテイメントの間の揺れ動く境界線と意識的に戯れ、女性の表象のさまざまなモードを探求しながら女性の⾝体性が秘める最大限の可能性を問うような作品を制作し、『Recovery』『Apollon』『TANZ』の三部作を発表。2021年にはルネ・ポレシュが芸術監督を勤めるベルリンの劇場フォルクスビューネのアーティスト・イン・レジデンスに招聘される。『TANZ』は Theatertreffen 2020にも招待され、ドイツの演劇雑誌 Theater Heuteの「年間ベストパフォーマンス」に選ばれ、Nestroy賞の最優秀演出家賞を受賞した。
構成・パフォーマンス・振付:フロレンティナ・ホルツィンガー
出演:ケイティ・ダック、ルシファイヤー、アニナ・マチャーズ、ナッティ・ヌガナン、スズン・パシオン、ローラ・ストークス、ベロニカ・トンプソン、アレクサンドラ・ノヴァイス・カルドーゾ・ゴメス
ライブビデオ:アレクサンドラ・ノヴァイス・カルドーゾ・ゴメス
音響デザイン・音響技術:シュテファン・シュナイダー
照明デザイン・テクニカルディレクター:アナ・ミュッセン
制作:ダナ・タッカー
舞台技術:シュテファン・ヴェルナー
吊物:ドゥルテ・ヴィルフロート
テクニカルアシスタント:クン・ファネステ
美術:二コラ・クネジェヴィッチ
ドラマトゥルク:レニー・コプライ、サラ・オスタルターグ
スタントサポート:Haeger Stunt & Wireworks
マネジメント:Something Great(ドイツ-ベルリン)
ツアーマネジメント:Something Great(ドイツ-ベルリン)
製作:Spirit
共同製作:Tanzquartier Wien、Spring Festival Utrecht、Productiehuis Theater Rotterdam、フランクフルト・ムゾントゥルム劇場、Arsenic Lausanne、ミュンヘン・カンマーシュピーレ、Take Me Somewhere Festival、Beursschouwburg、deSingelシアター、ゾフィーエンゼーレ、フラスカティ・プロダクシーズ、Theater im Pumpenhaus、asphalt Festival
協力:オーストリア共和国連邦省芸術・文化・市民サービス・スポーツ部門Ⅳ‒アートと文化
助成:ウィーン市文化部、オーストリア連邦文化財局、Performing Arts Fund NL、Norma fonds NL
京都公演助成:文化庁文化芸術振興費補助金(国際芸術交流支援事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会、Performing Arts Fund NL、オランダ王国大使館、オーストリア文化フォーラム東京
特別協力:ゲーテ・インスティトゥート大阪・京都
主催:KYOTO EXPERIMENT
KYOTO EXPERIMENTスタッフ
テクニカルディレクター/舞台監督:夏目雅也
舞台監督助手:北村侑也
照明:葭田野浩介(RYU)
音響:高田文尋
映像:福岡想
衣装管理:清川敦子、山口玲奈
壁製作:柴田隆弘
トラス製作:株式会社ジーズ・クリエイション
バイク製作:今井勇二、河野正純
映像機材協力:株式会社タケナカ
日本語字幕翻訳:出口結美子、塚原悠也
字幕オペレーション:伊藤拓也
トーク通訳:辻井美穂
制作:寺田貴美子(ロームシアター京都)
短期インターン:岡村徳洋、速水歩乃佳
協力:伊藤彩里