2026.8.26 (Wed)
国境を越えた芸術的文脈、リサーチの文脈を扱っている、カルメン・リーとチュンシン・オーによるパフォーマンス・デュオであるシアター・デュ・プーレ。今年のKYOTO EXPERIMENTでは、『私書箱 No.211』を上演し、象徴としての“紙”が主人公となるオルタナティブな世界を立ち上げていく。
香港出身のふたりは、現在はオランダとカナダを行き来しながら活動している。彼らの活動背景も浮かび上がる本作について、海外で上演された際のレビュー記事をまとめた。
Plein Theater トレーラー映像
GPO Box No 211 – Chun Shing Au – Theatre du Poulet Trailer
Zürcher Theater Spektakel 2024
ZKB Acknowledgment Prize を受賞した際の審査員コメント
“極めて繊細でありながら予想外の芸術的選択を通じて、この作品は、刑務所にいる(数多くの)目に見えない人々が姿を現すためのキャンバスを織りなしている。その詩情に加え、私たちは、言葉が許されず、身体が統制され抑圧され、公的・私的な空間が絶えず監視されている状況において、この作品が私たちの視線を導き、言葉に頼らずとも自らを語ることのできる演劇的言語を気取ることなく模索している姿勢を高く評価する―。” (引用抜粋)
ARTCENA レビュー
“チュンシン・オーはある手紙の中でこう綴っている。「……この3年間、手紙を書くたびに、その時点で口にするべきではないことを明かしてしまうのではないかと恐れている。もし手紙が傍受されたら、君は私が書いた内容を読むことができないかもしれない。この手紙は、書き終えるまでに5、6回も書き直した。また書き直さなければならないだろう…… 」黒い舞台の何もない空間には、しわくちゃになった白い紙の手紙が散らばっており、それらがまるで自ら呼吸しているかのように、時折、風を吹き出して舞い上がらせるロボットの作用によって浮き上がる。一体誰が何を操っているのか? 観客は興味をそそられ、会場に入ると、パフォーマーは満杯のゴミ箱から取り出したしわくちゃの紙を観客に手渡す―。” (引用抜粋)
Academie voor Theater en Dans 作品紹介
“『私書箱 No.211』は、詩学と政治の繊細な関係性をバランスよく表現しようと試みている。単なる芸術表現を超え、文化活動の本質に迫る作品である。チュン・シンの作品は、投獄の持つ深い意味と自由の機微を探求するものとして展開される―。” (引用抜粋)
operaramblings レビュー
“パフォーマンスは、演者が観客一人ひとりにまずくしゃくしゃになった手紙を一枚ずつ手渡すところから始まる。それはシウ・ミン(仮名)宛の手紙で、走って月を見たことや、刑務所生活の不便さ、例えばM&M’sの袋のサイズに奇妙な制限があることなどが書かれている―。” (引用抜粋)