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【はしご観劇部】レポートvol.1〜アートの世界にどっぷり浸りながら京都を満喫しよう!〜
2021.2.19
普段の生活の中で「退屈だなあ、刺激が欲しいなあ」とふと思う瞬間はありませんか?そんなあなたを少し変わった世界に連れて行ってくれるのがアートです。いろんな芸術作品を「はしご」して鑑賞する豊かな休日もたまにはいいかもしれません。この記事では1日でたくさんの芸術作品に触れられる「はしごアートツアー」をおすすめします!(文:山田航大[KYOTO EXPERIMENT インターン])
今回は京都の中でも特に文化の色が濃い「岡崎エリア」で、今月開催しているKYOTO EXPERIMENTの展示と公演を含んだ、1日楽しめるモデルプランを考え、実際に行ってきました!
対象となる作品は
①小原真史『イッツ・ア・スモールワールド:帝国の祭典と人間の展示』(京都伝統産業ミュージアム)
②『平成美術:うたかたと瓦礫(デブリ) 1989-2019』(京都市京セラ美術館)
③垣尾優『それから』(ロームシアター京都/公演は2月26日(金)~28日(日)のみ)
です。
休日なので朝はゆっくり起きました。11時30分ごろに四条河原町からバスに乗ります。
京都市営バス46号系統で10分ほどの「岡崎公園 ロームシアター京都・みやこめっせ前」で下車します。
バスを降りてすぐ向かいにある、みやこめっせ地下1階の伝統産業ミュージアムで「イッツ・ア・スモールワールド:帝国の祭典と人間の展示」を鑑賞します。
かつて日本で万博が開催された際、なんと「人間」が展示されていたそうです。人間が人間を鑑賞するって奇妙ですね。当時は自分たちと異なる民族の人が面白かったのでしょうか。でも、この膨大な資料に関心を持って見ている僕も、かつての万博にいた客と同じなのかも…
少しひやりとしながらじっくり鑑賞させていただきました。
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小原真史『イッツ・ア・スモールワールド:帝国の祭典と人間の展示』
日程:2.6 (土) – 2.28 (日) 9:00–17:00 (入館は16:30まで)
会場:京都伝統産業ミュージアム 企画展示室
19世紀末から20世紀初頭の欧米で隆盛期を迎えた博覧会は、植民地拡大にまい進する帝国主義国がその国威をアピールするショーケースのような空間になっていく。日本でも1903年の第五回内国勧業博覧会で余興施設として「内地」周辺の「異民族」を展示する「学術人類館」と呼ばれる施設も登場した。
インディペンデント・キュレーターの小原真史が企画した本展では、日本における博覧会初の人間の展示施設となった「学術人類館」にまつわる新発見写真や世界各国で行われた同様の資料約1000点などにより、この時代の人々が植民地や異文化をどうイメージしていたか、またその欲望の所在を探る。
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いつの間にか時刻は13時30分頃です。
頭を使ったので甘いものが食べたくなりましたね。
みやこめっせより徒歩3分のクレープ屋「Eggs」でテイクアウトし、春間近の岡崎公園でいただきます。
生クリームバナナチョコ(450円)をいただきました。
甘い!焼きたてで温かく、しかもたっぷりの生クリームで幸せな気持ちになりました。フルーツも甘く、クレープの味をしっかりと支えています。
「Eggs」
営業時間:11:00~18:00
住所:京都府京都市左京区岡崎成勝寺町1
テイクアウト可能、カウンター席、テーブル席あり。
寒くなってきたので次に行きましょう!続いては昨年春にリニューアルオープンした京都市京セラ美術館です。岡崎公園から1分ほど歩き、大きな鳥居の方へ向かいます。
こちらは4月11日までの展示で、美術評論家 椹木野衣の企画監修による、平成に日本で活躍したアーティストの作品がここに集結しています。
僕は平成に生まれ育ちましたが、「平成ってどんな時代だった?」と聞かれても全然ピンとこないです。そんなことを考えながら歩き回っているうちに、字や写真、作品などから何となく懐かしさが感じられました。そんな不思議な体験ができる空間だと思います。
懐かしさを感じていると、見覚えのある顔が!
実はこちらの展示では、KYOTO EXPERIMENT 参加アーティストの垣尾優さんが過去に在籍しており、共同ディレクター塚原悠也さんのグループ、contact Gonzoの作品も展示されています。
彼らが制作した作品は映像や写真によるインスタレーションで構成されています。海外で滞在制作をした際の作品も含まれます。殴りあっているようにも遊んでいるようにも見えます。
会期:2021年1月23日(土)~4月11日(日)
時間:10:00〜18:00
※入場は閉館の30分前まで
会場:京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ
https://kyotocity-kyocera.museum/
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京都市京セラ美術館のあとは徒歩3分ほどのロームシアター京都にて垣尾優さんのダンス作品『それから』を鑑賞するのがこのプランの最後になります。
先日稽古にお邪魔した際は、終始垣尾優さんの動きに目を取られていました。照明や音響がセットされた本番がどのようになるのか楽しみです!
垣尾優『それから』
2.26(金)19:00
2.27(土)17:00 ★
2.28(日)17:00
★ポスト・ パフォーマンス・トーク
上演時間:60分(予定)
会場:ロームシアター京都 ノースホール
舞踏からパルクールまで様々なジャンルにアンテナを張り、その独自のムーブメントにより唯一無二のダンサーとして関西の舞台芸術シーンで異彩を放つ垣尾優。
今回KYOTO EXPERIMENTのために創られるという新作は「ダンスそのものに正面から向き合うことで、混沌とした『動く』ことの原初的考察と、究極的にはその価値をただそのまま提示する」ことだと垣尾は言う。きっとそこで示されるメッセージは、ダンス作品創作のあり方についても新たなヒントを投げかけてくれるに違いない。
ロームシアター京都のプロムナード内にミーティングポイント「フェスティバルリビング」が設置されています。ダンス公演の前にここで一息つくのもありですね!フェスティバルマガジンがもらえたり、公演のPR映像、「関西ダンスヒストリー: アーカイブ上映」も鑑賞できますので、ぜひ訪れてみてください!
フェスティバルリビング(ロームシアター京都・プロムナード内)
1.27~3.28
*オープン時間はロームシアター京都の開館時間に準ずる。