プログラム

Asian Playwright Project

アヒラン・カルナハラン、神里雄大、上田久美子

2026 Shows トーク リーディング

Photo by Sums Selvarajan

日時

[バルパライソの長い坂をくだる話]
10.10 (Sat) 19:30
10.11 (Sun) 12:00

[弔いのあした]
10.11 (Sun) 15:30
10.12 (Mon) 15:00

[フォーラム]
10.12 (Mon) 16:30 - 18:00

会場
上演時間

[バルパライソの長い坂をくだる話]
85分(予定)

[弔いのあした]
65分(予定)

[フォーラム]
90分

料金

[バルパライソの長い坂をくだる話]
[弔いのあした]
一般:¥3,000
ユース(25歳以下)・学生:¥2,500
高校生以下:¥1,000
ペア:¥5,500
当日券:前売料金+¥500(高校生以下は同額)

Asian Playwright Projectセット券 :¥5,500
*リーディング公演の両演目をお得に観劇できるセット券です。

[フォーラム]
無料(予約優先)

言語

[バルパライソの長い坂をくだる話]
[弔いのあした]
日本語(英語字幕あり)

[フォーラム]
日本語・英語(逐次通訳あり)

Photo by Sums Selvarajan

境界を越えて、世界を編み直す。
ディアスポラ文学の新たな地平

舞台に血肉を通わせ、まだ見ぬ世界を立ち上げる設計図となる戯曲の力。その可能性はいま、同時代のアジアでどのように発揮されているのか。「Asian Playwright Project」は、アジア・オセアニア地域の5つのパートナー(オーストラリア、香港、韓国、ニュージーランド、台湾)とKYOTO EXPERIMENTによる劇作家の交流プログラムだ。2026年度は「アジアのディアスポラ」をテーマに、生まれ育った土地を離れ、異国へ移住・定住した人々や子孫、彼らの記憶、コミュニティを描き出す2名の劇作家を紹介。それぞれの作品をリーディング公演の形式で上演する。

神里雄大とアヒラン・カルナハランは、互いに移民として国を渡った祖先や家族をルーツに持ち、異なる言語や文化を往還しながら独自の眼差しを育んできた。生活から近現代史までを照射する彼らの実践は、ディアスポラを周縁的な存在ではなく、世界を捉え直す「新たな中心」としての視座をわたしたちに拓いてくれることだろう。

『バルパライソの長い坂をくだる話』

作:神里雄大 演出:上田久美子

ペルー生まれ、神奈川育ちという自身のルーツと向きあい、南米や辺境の島々を旅した体験から本作を執筆した神里雄大。第62回岸田國士戯曲賞を受賞し、KYOTO EXPERIMENT 2017でスペイン語上演した戯曲を、今回は日本語で上演する。演出は鋭い観察眼と批評性で、人間の営みを描き出してきた上田久美子が手がける。
父の遺言に従い、チリ・バルパライソの海岸へ散骨にやってきた息子と母。そこではパラグアイや沖縄、小笠原など、ここではない土地の話が語られ、いくつもの生と死の痕跡が国境を越えて呼応する。

『弔いのあした』

作:アヒラン・カルナハラン 演出:神里雄大

アオテアロア(ニュージーランド)の劇作家で、スリランカ系タミル人をルーツにもつアヒラン・カルナハランは、失われた土地の記憶をめぐる<語りの集積>によって物語を立ち上げる。主人公シェーカーは父の死後、家族の故郷であるスリランカを訪ねるが、見知った村は2004年の大津波によって跡形もなく押し流されていた。
瓦礫のなかを歩き続けるシェーカーは、親族が語る記憶の断片から、舞台上に“かつて存在した村”を呼び起こし、喪失のあとに残されたものを見つめる。本作では神里雄大が翻訳・演出を担当。自らも移民や越境を描いてきた表現者として、声なき声を掬い上げていく。

[Asian playwright Project フォーラム]

スピーカー:アヒラン・カルナハラン、神里雄大、上田久美子
モデレーター:KYOTO EXPERIMENT 共同アーティスティック・ディレクター


アーティストプロフィール

アヒラン・カルナハラン

ウェリントン(ニュージーランド)

スリランカ・タミル人家系に生まれ、アオテアロア(ニュージーランド)を拠点に舞台と映像の両方で分野横断的に活動するアーティスト。2003年にヴィクトリア大学ウェリントン、2007年にToi Whakaari-ニュージーランド演劇学校を卒業。その後、Tara Arts、ベルヴォア・ストリート劇場といった高い評価を得ている劇団とともに国際的に活動し、オークランド・アーツ・フェスティバル、シドニー・フェスティバル、アデレード・フェスティバルでそれぞれ上演された作品が称賛を浴びた。オークランド・シアター・カンパニー、オークランド・アーツ・フェスティバル、Silo Theatre、そしてKia Mauフェスティバルとの協働で先駆的な作品を発表している Agaram Productionsの設立者であり、芸術監督を務める。また、南アジア劇作家フェスティバルやFirst World Problems(先進国の問題)といった新しい才能の発掘を目的とするイニシアチブ、グラスルーツ・クリエイティブによる移民コミュニティを対象としたワークショップなど、育成のための活動を立ち上げている。
カルナハランの作品は、ディアスポラの視点から、記憶、ノスタルジア、喪失の継承について問いかける。声を増幅して届けること、しばしば周縁に留まってしまう経験をそれぞれのコミュニティが中心に据えることの必要性が、活動の原動力となっている。
個人的な出会いから壮大な物語、そして南アジア系コミュニティにとっての先駆的な作品まで、カルナハランの戯曲作品には、『My Heart Goes Thadak Thadak』、『弔いのあした』、『Tea』、『Light Vs Dark』、『Anchorite』、『A Mixtape for Maladies』などがある。主な演出作品は、『The First Time Asian Sitcom』、『Basmati Bitch』、『Boom Shankar』、『Rudali』、『A Fine Balance』、『Shoulda Woulda Coulda』、『Swabhoomi: Borrowed Earth』、『Northern Glow』、『Mumbai Monologues』など。
2018年には、ニュージーランドの卓越した劇作家による作品であるとの評価を受け、Bruce Mason賞を受賞。2020年、Arts Foundation Laureate賞受賞。

Photo by Yoshitaka Shimada

神里雄大

日本

1982年ペルー生まれ、神奈川育ち。拠点を特定の場所に限定せず、その時々の環境に応じて創作場所は移動する。「移動」「移民」「観光」を主なテーマに、日本/世界各地を自ら旅して集めた物語や体験に着想を得て作品を創作している。国内外の演劇フェスティバルへ招聘多数。これまでの戯曲は韓国、香港、台湾、アメリカ、イギリスなどでも上演または出版されている。
2006年『しっぽをつかまれた欲望』(作:パブロ=ピカソ)で利賀演出家コンクール最優秀演出家賞受賞。KYOTO EXPERIMENT 2017で発表した『バルパライソの長い坂をくだる話』が 2018年の第62回岸田國士戯曲賞を受賞。2016年10月より文化庁新進芸術家海外研修制度研修員としてアルゼンチン・ブエノスアイレスに1年間滞在。
出版物として、戯曲集『バルパライソの長い坂をくだる話』(白水社)、ノンフィクション『越えていく人——南米、日系の若者たちをたずねて』(亜紀書房)がある。

Photo by matron2023

上田久美子

東京、奈良(日本)、モントルイユ(フランス)

奈良県の古代集落にある農家に生まれる。京都大学文学部フランス語学フランス文学専修卒業後、東京での製薬会社勤務を経て、宝塚歌劇団演出部に入団し多くの話題作を手掛ける。2022年に退団し、文化庁新進芸術家海外研修制度により一年間フランスで研修。その後も日仏の拠点を往復しながら、芸術と娯楽、伝統と前衛、舞台と客席などあらゆる境界を問い直す創作活動を続けている。
2023年、全国共同制作オペラ『道化師/田舎騎士道』(東京芸術劇場/愛知県芸術劇場)を演出。2025年、蒲田温泉宴会場にて宴会形式のパフォーマンス『寂しさにまつわる宴会』を主催。同年、SPAC秋のシーズン『ハムレット』を潤色・演出。2024年度より公益財団法人セゾン文化財団セゾン・フェローⅡ。

projectumï
上田久美子の創作団体であるprojectumïでは、身体を起点に、テキスト、音楽、ムーブメントを横断するパフォーマンスを通して、舞台上の出演者/客席の観客という従来の関係性から逸脱した、新しい作品体験の形式を探求している。その探求の過程において、観客は、鑑賞者から、即興的な登場人物や予期せぬパフォーマーへと変化し、異なる視点から世界を捉えることへ導かれる。
2025年にはフランス、モントルイユにおいて同名のアソシエーションを設立。projectumïは日本とフランスの両国で創作を行っている。

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